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【新型コロナ】タンク背負って噴霧、除菌装置を月4倍以上増産 

いけうち、公共交通機関や劇場などから問い合わせ相次ぎ

いけうち(大阪市西区、中井志郎社長、06・6538・1075)は、薬液タンクを背負って噴霧するバックパック型除菌スプレー装置「ドライフォグハイノウ」を増産する。現状比4倍以上の月産200台を製造する。新型コロナウイルス感染症対策として、公共交通機関や劇場などから問い合わせが相次ぎ、需要増に対応する。

ドライフォグハイノウは2019年9月に稼働した上比延工場(兵庫県西脇市)で製造している。点在していた作業工程を整理してラインを設け、生産効率を高めた。作業人員も現状から4割増やす。3月時点で在庫がなくなり、急きょ対応した。一部の部品は中国から輸入しているがサプライチェーン(供給網)が滞っており、当面の間は日本製の部品に切り替えて対応していく。

同装置は、薬液を10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の粒子径の霧にして噴出する。非常に小さい粒子径で、物に当たってもぬれないのが特徴。持ち運びながら薬液の噴霧が可能なため、緊急時や死角となる場所でも除菌できる。

同社は、ウイルス除菌に効果的な電解次亜塩素酸の製造販売も手がけており、3月の売り上げは前月比7・2倍だった。需要増に対応するため、3月末に製造装置を2台増やし、3台体制で1日600リットル生産している。本来、企業向けの販売を主としているが、新型コロナ感染拡大を受けて一般消費者からの問い合わせも増えているという。

日刊工業新聞2020年4月15日

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