【新型コロナ】BPOに吹いているのは逆風?追い風?

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コールセンターなどBPOの需要は増加傾向にあったが…(イメージ=凸版印刷提供)

新型コロナウイルス感染症拡大で、印刷各社が受注する業務委託(BPO)事業の需要予測が難しくなっている。コールセンター対応やデータ入力、通知物の作成や発送などさまざまなBPO業務は、受注型ビジネスとはいえ好調に推移している分野。多くの企業が感染予防の対応に追われている中、マイナスの影響とプラスの影響が同時に生じている。(国広伽奈子)

近年は働き方改革や労働力不足、業務効率化を背景にBPOの需要が増加傾向にある。紙媒体の減少を背景に、印刷各社は従来型の受注産業からの脱却を進めているが、BPO事業は成長領域かつ多くの企業との接点を持てる重要な事業。金融機関向け業務で培った高いセキュリティー性を生かしてさまざまなサービスを提供している。

新型コロナ感染症の拡大により、首都圏を中心に多くの企業が対応に追われている。印刷各社にとっては企業の休業やイベントの中止などでBPOの受注が減る恐れもあれば、外出自粛や在宅勤務の増加で業務のデジタル化需要が高まる可能性もあり「現時点で影響を見極めることは難しい」(凸版印刷)。

共同印刷は、模試や試験の中止や延期により文教関連のBPOで業務量の減少や体制の再構築といった影響が出ている。

一方で、遠隔面談の需要の増加に伴い医療分野の問い合わせが増加している。オンライン研修用の動画やツールの作成、金融機関向けの「口座開設Webアプリ」も問い合わせが増えているという。

凸版子会社のトッパン・フォームズでは、受託前の仕様設計や環境構築に時間を要する案件が多いため、突発的な件数の増加など需要面の大きな変化はないとしている。

印刷各社は、感染対策をしながらBPOの業務を継続する方針。個人情報や機密情報を取り扱う業務も多く、在宅勤務への切り替えは簡単ではない。

大日本印刷は、従業員の衛生面や健康面に配慮しながら現時点で通常通り稼働できているとしている。凸版は在宅勤務も一部活用して出社する人数を抑えたり、従業員の間隔をあけたりしながら対応している。

日刊工業新聞2020年4月14日

COMMENT

国広伽奈子
デジタルメディア局
記者

国内のBPO市場は2023年度にIT系で約2兆8076億円、非IT系で約1兆8,730億円まで拡大する見通しが出ています(事業者売上高ベース、矢野経済研究所調べ)。BPO事業はBtoBに強い印刷各社にとって今後も頼りになる存在。今回の経験を今後の事業強化にどのように生かしていくのか気になります。

キーワード
新型コロナ 印刷 BPO

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