【新型コロナ】安倍首相が薬事承認に言及した期待の治療薬、「アビガン」って何?

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28日に開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部の会議(首相官邸公式ページより)

安倍晋三首相は28日の記者会見で新型コロナウイルスに感染した患者に対し、臨床研究(観察研究)として使い始めている新型インフルエンザ治療薬「アビガン」(一般名ファビピラビル)について、薬事承認を目指す考えを示した。中国で治療効果が確認されたとの報告が出ている。安倍首相は「世界の多くの国から関心が寄せられている」と話した。

アビガンは普段は使わないが、“緊急事態”用に備蓄される抗インフルエンザウイルス。他の薬剤が無効あるいは効果不十分な新型またはかつて流行した「再興型」インフルエンザウイルスの感染症が発生した際、国の判断で使う。政府が18年6月に改定した「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」では、約200万人分が備蓄されることになっている。

アビガンは富士フイルムホールディングス(HD)のグループ会社、富士フイルム富山化学(東京都中央区)の前身、富山化学工業が14年に製造販売承認を得た。承認された用法・用量における臨床試験が未実施であり、季節性A型またはB型インフルエンザウイルス感染症に対する有効性について、十分に示されているとはいえないと判断された。一方で作用機序(薬の効く仕組み)が既承認の薬と異なるため、使用可能な状態にしておくことは意義があるとされた。

同ガイドラインでは「(既存薬である)ノイラミニダーゼ阻害薬4剤全てに耐性を示すインフルエンザウイルス株が出現するリスクは低いが、否定はできない」と指摘されている。関係者はそうした状況下でも迅速・確実な対応が求められる。富士フイルムは政府要請を受けて増産を検討しており、収束が長引いた場合でも安定供給が揺らぐ可能性は低い。

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