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国策でジャガイモ大量生産する中国に、収穫機を技術移転

【札幌】東洋農機(北海道帯広市、太田耕二社長、0155・37・3191)が、ジャガイモ収穫機に関する技術移転、指導した中国企業が今夏にも生産を始める。業務提携先の「丹陽栄嘉精密機械」が50台を製造、販売する。中国は国策でジャガイモの収量拡大に取り組んでおり収穫機の需要が高まっている。現地企業を指導した東洋農機の取り組みが実を結びそうだ。

丹陽栄嘉精密機械は中国・江蘇省の丹陽市にある機械部品メーカー。自動車や農業機械用のアルミダイカストや板金、溶接などを行っている。

東洋農機は丹陽栄嘉にジャガイモ収穫機に関する知的財産を売却したほか技術や営業、栽培などに関する指導を実施。手数料をもらう形で収穫機の生産体制の構築を支援してきた。丹陽栄嘉は当初50台の生産を計画するがさらに200台、300台と増やしていく考え。今後はビートの収穫機の生産に着手する予定で、東洋農機は支援を検討している。

東洋農機と丹陽栄嘉は2018年3月、ジャガイモ収穫機の技術移転で業務提携した。丹陽栄嘉は政府のジャガイモ収量拡大の方針を踏まえ、農業機械の製造・販売事業への進出を決めたが、ノウハウがないため東洋農機に支援を求めた。提携では中国事業に実績のある機器メーカーの工進精工所(埼玉県狭山市)が間に入った。

東洋農機はジャガイモ収穫機で国内トップシェア。海外事業ではエンジニアリング技術の提供を行っている。インドでは国際協力機構(JICA)のプロジェクトに採択され、15年11月―18年6月まで、ジャガイモ収穫機の普及に向けた実証事業を行った。

日刊工業新聞2020年3月13日

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