掃除だけでなく、食器洗いもロボットの仕事になる?
タニコー・コネクテッドロボなど、食洗機ロボシステム開発
タニコー(東京都品川区)とコネクテッドロボティクス(同小金井市)、東京農工大学は共同で、業務用食洗機に食器を投入し整列させるロボットシステムを開発した。2台の協調型ロボットアームが食器の下洗いや投入、回収を担う。まだ開発段階だが、システム価格は1500万―2000万円になるとみられる。飲食店舗での実証試験を進め、運用効率を確かめる。
食器を画像認識するとロボットアームで底を吸引して持ち上げ、食器をぬらして下洗いをする。ぬれた食器を取り扱うため、吸引する直前に空気を吹き付けて水滴を飛ばして把持精度を高めた。水を張ったシンク内に回転ブラシと噴射機構を設けた。汁椀についたワカメや、どんぶりについた米粒を落としてから食洗機用のラックに並べる。
食洗機にラックを投入して、洗浄が終わると2本目のアームでラックから食器を取り出し、分類しながら並べる。食洗機の処理能力は1時間当たり25ラック。グラスや小皿など4種の食器を取り扱える。洗い台の側面から2本の協調アームが伸びる配置にした。作業テーブルをふさがず、通常のレイアウトのままでも導入しやすい。
食器の下洗いから食洗機への投入回収まで一連の流れをロボット化した。店舗での実証試験で運用課題を洗い出す。例えば洗い場の容量が小さい店舗では、食器があふれると周辺のスペースをつぶしてしまう。定常的な処理能力よりもピーク時の対応力が求められる。
また、数の少ない食器から優先的に洗うなどの柔軟性も求められる。スタッフが自動処理に割り込む際の運用性なども検証する。
日刊工業新聞2020年2月28日