ロボットがワッフル作って提供、客を認識しおすすめも
キュービットロボ、人手不足解消に
キュービットロボティクス(東京都千代田区、中野浩也社長、03・6261・6492)は、「カフェロボット」を応用して、「ワッフル提供ロボット」を製作した。素材のワッフルをレンジに入れて加熱、焼き上がったワッフルにクリームをかけて客に差し出す。キュービットはこれまでに、コーヒーのほか、ショートパスタ、居酒屋のビールなども実証実験している。外食産業が扱う多様な食材メニューを実験してノウハウを蓄積し、人手不足の解決や接客などに生かす。
利用者は端末画面で希望の商品画像をタッチし、それに基づいてロボットが作業を行う。ワッフルのほか、コーヒーやカフェラテなどのドリンクも選べる。ワッフルの場合はレンジで加熱してクリームをかけ、コーヒーなどの場合はエスプレッソマシンやコーヒーポットにカップをセットし、できたての飲料を提供する。
人工知能(AI)と連携したカメラで客の性別や年齢などを認識。学習により、女性客に「今日は寒いですね。こんな時はアツアツのカフェラテに、イチゴワッフルはいかがですか?」などと声をかける。
居酒屋で実証中のロボットは、店に入ろうか悩む遠くの客にも声がけを行うが、ワッフルロボットは認識を手前の客に集中させ、高精度のかけあいができるようになった。「学習能力で、接客レベルはさらに向上できる」(同社)と話す。
課題は故障時の対応と、コスト。例えば、昼食のかき入れ時などに不具合が生じた場合、すばやく復旧する必要がある。センサーを増やしたり、プログラミングなど対策はあるが「結局はコストの問題」(同)という。
一方でロボットの価格引き下げや食材をつかむハンドなどの技術開発は、めどがついたという。今後も多様な食材で実験を行い、ノウハウを蓄積する考えだ。
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日刊工業新聞2020年2月26日