まつエクをもっと安全に。国産の接着剤拡販
【さいたま】Bond Factory(埼玉県和光市、下田優作社長、048・485・8488)は、自分のまつげに人工毛を付ける「まつげエクステンション(まつエク)」で使われる専用接着剤を拡販する。安全性の高い国産品として、OEM(相手先ブランド)で提供する。海外市場も開拓し、2022年11月期の売上高は現状比およそ2倍の数億円を目指す。
一般的なまつエク用接着剤の主成分は瞬間接着剤などに使われるシアノアクリレート。元々は透明の接着剤だが、目元に使うためカーボンなど黒色の着色料を加える。着色料を溶かすため有機溶剤のアセトンやトルエンなど分散材を添加する。
Bond Factoryは、フラーレンを粉末のままシアノアクリレートに混ぜる技術を開発し、分散材を使わないまつエク用接着剤の製造に成功した。フラーレンは劣化抑制につながるといい、まつエクサロンでの保管にも役立つ。
OEM製品は、乾く時間などが異なるまつエク用接着剤を20種類ほど用意。静岡県にある工場で生産している。価格は市場での適正価格とする。
同社は13年、まつエク用接着剤による目元トラブルが多かったことをきっかけに国産の接着剤を作ろうと立ち上げた。現在もまつエク用接着剤は雑貨扱いとなっており、成分表示の義務はない。森田塁取締役は「安全な国産グルーとして普及していきたい」と話す。
日刊工業新聞2020年2月26日