「#韓国人になりたい」女子で大ブームのなぜ?

連載・韓国コスメの底力 #1

ミシャジャパンのリリースより

韓国発の化粧品(韓国コスメ)が存在感を強めている。若者中心のブームかと思われたが、機能性や目を引くパッケージもあいまって愛用者は幅広い世代に広がっている。インスタグラムで「#韓国コスメ」と検索すると160万件以上の投稿がヒットする。さらに「#kbeauty」と検索すれば世界中から投稿された300万件以上がヒット、日本のみならず世界中に広がっている。なぜいま日本でブームが起きているのか。(取材・昆梓紗)

インスタグラムより

「#韓国人になりたい」

東方神起やKARAなどの「韓流アイドルブーム」のあった2011年ごろ、日本で大きな韓国コスメブームが訪れた。「BBクリーム」や「シートマスク」などが人気になり、カタツムリエキスなど個性的な成分を使っていることも話題を呼んだ。

その後一旦はブームが落ち着いたものの、支持者が入れ替わりSNSを中心に若者の間で再度人気が高まっている。

そもそも若い世代ではファッションやグルメ、ライフスタイルなども含めて韓国の人気が高まっていることも、韓国コスメ躍進の背景にある。インスタグラムではハングルを使ったタグや「#韓国人と繋がりたい」「#韓国人になりたい」が数万単位で投稿されている。韓国人のメイクは「オルチャンメイク」と呼ばれ支持を集めている。

「見た目」と「機能」

韓国コスメにはいわゆる“SNS映え”するパッケージが多いことも特徴で、拡散され目にとまることもプロモーションに一役買っている。不二家の「ペコちゃん」や「ポケットモンスター」など企業やキャラクターとのコラボレーションもさかんに行われている。

ペコちゃんとのコラボレーション(ミシャジャパン)

日本最大のコスメ・化粧品口コミサイト「@cosme(アットコスメ)」を運営するアイスタイルの原田彩子氏は、「日本もバブル期には『気持ちを高める』ためにメイクをし、見栄えの良いパッケージのコスメを持ちたいという消費者が多かったが、不景気が続いたこともあり近年では機能やコストパフォーマンスで勝負する傾向が続いていた。そんな中で『映える』パッケージやSNSで世界観を打ち出した韓国コスメが消費者の心を掴んだのではないか」と分析する。

そして機能性では、従来はなかった「クッションファンデーション」(※1)、「ティントリップ」(※2)などの新技術を取り入れた製品を投入し話題を呼んでいる。「韓国コスメメーカーは『発想のおもしろさ』が特徴です。メイクをする時のストレスや我慢を解消するようなコスメが、若者だけでなく30代以上の子育てや仕事が忙しい世代にも好評なようです」(原田氏)。

スキンケア分野では医療分野の知識を取り入れた「ドクターズコスメ」やアンチエイジング製品が多いことや、韓国メイクのトレンドである「水光肌」(水にぬれて光るようなツヤがある肌)が30代以上のニーズに合致することも人気を後押ししているようだ。

定着に向かう?

アットコスメのユーザーは20~30代が多いというが、2、3年前から韓国コスメに関する口コミが増えてきた。口コミで好評価だったコスメを表彰する「ベストコスメ大賞」では、2018年のコンシーラー部門1位とクッションファンデーション部門2位を韓国系のコスメが受賞している。

@コスメ「ベストコスメアワード2018」

ウェブサイトにおいても、韓国コスメ販売店が多く集まる新大久保をガイドする記事などで読者の反応が良いという。若者だけでなく購買年齢層が広がりつつある。

@コスメ「【韓国コスメMAP】新大久保でおすすめのショップまとめ」より

韓国には数多くのブランドがあり、日本進出を希望する企業も多いとアットコスメは見るが、日本に上陸しているブランドがまだ少ないのが現状だ。そんな中でブームを引っ張っているのは購買層の口コミやSNSでの拡散力である。「まだ珍しいということもあり、旅行先で買ったものや行ったお店をSNSにアップしたくなる人が多いのでは。個人の情報が重宝される時代なので、それらが力を持ちブームの一因となっている」(原田氏)。

韓国の化粧品店舗は外観やインテリアにも凝っておりフォトスポットを設置したりと、SNSでの拡散を狙っている。その場で化粧品を作るといったイベントを行う店もある。

まだ購入できる場所が限られ話題性が先行している感のある韓国コスメだが、日本市場で存在を増しつつある。ブームで終わるか、一定の地位を確立するかの分かれ目にあるだろう。

(※1)クッションにリキッドファンデーションが染み込ませてあり、パフに取って塗る。手を汚さず、時間短縮になる
(※2)唇を染め色素を沈着させ落ちにくいとされる口紅

グーグルトレンドにみる「韓国コスメ」ブーム

韓国コスメブームをグーグルトレンドにて見てみると、日本での検索ワード「韓国コスメ」2011年~2012年を第一次ピークに右肩下がりになるが、その後2015年を底にふたたび上昇を続けている。

 
世界での動きを見てみると、「Kbeauty」は2015年から右肩上がりで、ほぼ日本と同様の動きをしている。

連載・韓国コスメの底力(全4回)

世界で注目を集める韓国コスメ。日本でも若者を中心にブームが起きている。その背景と底力に迫る。
【01】アイスタイル(11月15日公開)
【02】ロフト・ルミネ(11月16日公開予定)
【03】韓国の化粧品業界(11月17日公開予定)
【04】ミシャジャパン(11月18日公開予定)

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

私は若者ではないですが、まわりで韓国コスメを使う友人が増えてきました。販売店舗や情報が少ない中でなぜ人気が出ているのか取材しました。

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