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マツダ系の最大手サプライヤー、トヨタグループとの取引拡大が止まらない

ダイキョーニシカワ・内田成明社長インタビュー
マツダ系の最大手サプライヤー、トヨタグループとの取引拡大が止まらない

ダイキョーニシカワのバンパー(同社公式サイトより)

―新型肺炎の影響が懸念されます。
「もともと主要な自動車メーカーの生産計画が楽観できない状況だったところに、新しいマイナス要因が加わった。当社も武漢近くの会社と取引があり、中国で調達した部品を日本で作る車にも使っている。交通が遮断されれば武漢以外の地域でも影響はある。詳細を調査中だ」

―新しい本社工場(広島県東広島市)が完成しました。
「元の本社とR&Dセンター、そして試験センターを集約再編する。これだけお金をかけて作ったので、業務効率化につなげて投資効果を出す作業は、これからが本番になる」

―米アラバマで建設中の工場では主要取引先のマツダだけでなくトヨタ自動車からも受注しました。
「アラバマの工場新設は今年がピーク。トヨタとの取引は、隣接工場から直接納めるような大規模な例は今回が初めて。今後に向けても意義深い案件だ」

―部品業界では合併・買収が目立ちます。
「樹脂バックドアにランプを一体化したり、インパネにスイッチを組み合わせたり、当社の提案にも電装システムが不可欠になってきた。樹脂技術を核にしつつも、電装品などで他のサプライヤーとの協業はあり得る」

―電動化対応は。
ホンダ燃料電池車に樹脂製の電池ケースが採用された。給電口や給油口のふたと受け皿を樹脂化した部品も、戦略製品と位置付け採用が増えている」

【記者の目】
ダイハツ工業向けの樹脂バックドアは、「ロッキー/ライズ」や「ルーミー/タンク」など、トヨタブランドの車にも搭載が増えてきた。米アラバマでトヨタが作るスポーツ多目的車(SUV)にもバンパーが採用され、トヨタとの取引はじわじわと拡大しつつある。マツダ系では最大手だが、マツダ以外との取引拡大が成長のバネになっている。

(広島・清水信彦)
内田社長「アラバマ工場は今後に向けても意義深い案件だ」
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日刊工業新聞2020年2月24日

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