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ホンダ系足回り部品メーカー社長、「遠い世界のこと」と思っていた再編と向き合う

エフテック・福田祐一社長インタビュー
ホンダ系足回り部品メーカー社長、「遠い世界のこと」と思っていた再編と向き合う

「どう競争力をつけていくかを考えないといけない」と福田社長(前列左から3番目)

―2019年は日立オートモティブシステムズとホンダ系サプライヤー3社の経営統合が決まりました。
 「一般論として業界は生き残りをかけて必死だ。以前は再編が遠い世界のことと思っていたが、今回身近なところで起きた。どう競争力をつけていくかを考えないといけない。モノづくりや技術を軸として協業できる取り組みをしていく。成果はこれからだが、エイチワンとの車体と足回り一体構造設計での連携などがそうだ」

―市場見通しは。
 「米中貿易摩擦の影響で世界経済全体が減速し、世界の主要な自動車市場も低迷している。まだ底を打った感じはしない。しばらく低迷が続くかもしれず、もう少し耐える期間が続くのではないか」

―対策は。
 「まず米国事業の立て直しが最優先事項。生産性の改善は少しずつできているが途上だ。現場の生産性を高め、高品質を維持し、内部の仕事量を増加させることが重要。生産性が高まらずに外注していたものがあり、追加コストが発生していた」

―20年度からの次期中期経営計画を策定中です。
 「企業の成長=売り上げの増加ではない。技術の進化や生産性の向上、人材育成なども成長だ。次の3カ年はトップラインの大幅増は見込めない。今のレベルを維持しつつ、開発や生産などでの成長ストーリーを考えている」

【記者の目】
世界の自動車市場は低迷が続きそうだが、中長期的には成長するという声も多い。エフテックは主要取引先のホンダ以外に、トヨタ自動車や欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズの新規受注獲得など明るい話題もある。足回り部品の軽量化やコスト低減などモノづくり力を磨き、成長局面に備える重要な時期にありそうだ。

(日刊工業新聞・山岸渉)

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