日産系変速機メーカー、世界一への野望と不安

ジヤトコ・中塚晃章社長インタビュー

  • 0
  • 1
CVTで世界シェア首位のジヤトコ(同社公式動画より)

―2019年度の自動変速機(AT)と無段変速機(CVT)の合計生産台数は。
 「年度末の3月までの着地点が十分見えていないが、18年度の550万台から若干減少する。主要取引先の国内車メーカーがいずれも微減だ。2年連続減少と見通している」

―20年にATメーカーグローバルナンバー1を目指した取り組みをどう評価しますか。
 「利益率、品質、商品投入、社会貢献といろいろな意味合いを込めており、数量以外の部分はかなりできたと思う。17年度に営業利益率10%を実現し、体質強化もできた。利益は大切だが、成長を第一に目指している」

―電気自動車(EV)など、次代の成長戦略は。
 「EV用変速機は20年代前半の製品化を目指す。量産段階ではメキシコを除く、日本、中国、タイの生産拠点の中から検討する。海外のモノづくり力が上がってきたので、同時立ち上げは難しいだろうが、量産開始が海外からでもいい。事業の方向性については、中期計画にとらわれずに変えることも含め、柔軟に対応していく」

―電動化関連投資の方針は。
 「電動駆動モジュール『イーアクスル』の中のギアボックスは、ATやCVTの設備を少し改良すれば作れる。できるだけ既存設備を活用するが、トランスフォーム(動力伝達)として我々の役割を広げようとすれば、電動化ニーズに対応するための必要な投資を行う」

【記者の目】
電動化の時代に、部品メーカーの収益構造がどう変わるのかは、いまだ不透明だ。どこに行けば勝てるかが必ずしも明確でない中でも「成長を最優先する」という表現で攻めの姿勢を崩さない。ギアボックス関連など動力伝達機能に対する技術的な信頼性は高い。電動化で生まれる新しいニーズに対応できるか注目したい。

(日刊工業新聞静岡支局長・伊奈淳一)

日刊工業新聞2020年2月6日

キーワード

関連する記事はこちら

特集