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5Gがメイクを変える時代?今年もっとも評価を集めたコスメは?

アイスタイル、「@cosme ベストコスメアワード2019」を発表

アイスタイル(東京都港区)は化粧品口コミウェブサイト「アットコスメ」にて2019年にもっとも話題となった化粧品を表彰する「@cosme ベストコスメアワード2019」を発表した。総合大賞にはセザンヌ化粧品(東京都千代田区)の「パールグロウハイライト」が選ばれた。600円(税抜き)という低価格で、適度なツヤ感を表現できる点が支持された。担当者は「(話題になったことで)消費者からの問い合わせが多数寄せられ社内からクレームが来るほどだった。口コミの力強さを感じている」と喜んだ。

セザンヌの「パールグロウハイライト」(左上)でメイクしたモデルのゆきぽよさん

「ベストコスメ」は実際に商品を使用したサイト会員が1年間にアットコスメに投稿した約72万件の口コミ、評価、ウェブページへのアクセスなどを総合的に評価し選出している。総合大賞のほか、アイテム賞や新人賞などで、スキンケアやメイクアップ、日用品など64商品が表彰された。

また、中国・アリババグループが運営するECプラットフォーム「天猫(Tmall)」と共同で、新たな賞を創設。ベストコスメに選ばれた商品のうちTmallでも人気の商品を「@cosme ベストコスメアワード with Tmall 2019」として発表した。32カテゴリー73商品を選出し表彰した。アイスタイルは2015年より天猫国際(Tmall Global)に出店し、情報発信やイベントも開催してきた。
 アイスタイルの吉松徹郎社長は「中国市場で日本製品を届けることに力を入れてきた。アワードや受賞マークは信頼性を高め、広く知ってもらえるきっかけになる」と話した。
 アリババグループ天猫ビューティーディレクターのヨウ・エイ氏は「天猫の中でも日本のビューティー商品は成長率が高い。アットコスメとの協業で中小ブランドの成長をより促していきたい」と期待を込めた。

アイスタイル吉松社長(左から2番目)、アリババグループのヨウ氏(左から3番目)

SNSと口コミ

2019年は化粧品購入のきっかけとしてSNSを挙げる人が前年よりさらに増加。消費者によるSNSでの発信が話題や消費に大きくつながっている。話題は新しい商品に集まりがちと思われそうだが、定番商品への話題ベストコスメ受賞商品のうち新商品が占める割合はここ5年で横ばい。例えばロングセラー賞を受賞した牛乳石鹸共進社(大阪市城東区)の「カウブランド赤箱(しっとり)」は発売から95年経っているが口コミで洗顔に使えることが広まり、企業側も戦略に取り入れるようになっている。
 同じウェブ上の発信だが、SNSでの発言とアットコスメでの口コミには違いがみられる。SNSはポジティブな面を紹介することが多い一方、口コミは匿名性が高いことから、良い面だけでなく悪い面も書く傾向が強い。
 「消費者はSNSでいいところを知り、購入前に冷静に評価を知るため口コミを見て判断する、という流れができている」と同社リサーチプランナーの西原羽衣子氏は話す。

「自撮り」が生活に浸透した結果

また今年の特徴として、メイクアップ商品のランクインが6商品から2商品に下がった。この要因としては「肌へのこだわり」が挙げられる。若者を中心に「自撮り」をする文化が浸透し、画像が美肌加工されていることが当たり前になっている。「美肌加工された自撮り画像を見ることで、気軽に『ちょっと頑張ればなれる自分』を知ることができる。これにより肌へのこだわりが増しているのではないか」(同社リサーチプランナーの原田彩子氏)。

 5Gによりメイクも変わる!?

動画の向上により伝えられる情報が増え、化粧品においても繊細な質感を伝えることができるようになってきたことが、トレンドワードにも反映されはじめている。
 「濡れ感」「透け感」などの質感をより細かく表すワードが増えている。また「ラメ」一つとっても、「偏光ラメ」や「グリッター」などの単語が伸長、動いたときの光り方、反射の仕方のバリエーションが細かく伝わるようになっていることがわかる。今後5Gの商用サービスが開始され、SNSやYoutubeなどで動画を使った情報共有がより活発になると予想される。さらに動画が高画質化することで、求められるメイクの質も変わってくることが予想される。

ニュースイッチオリジナル
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
20年間のベストコスメが紹介されていたのですが、時代や流行の変遷とともに化粧品の技術革新もすごく進んだのだなと実感しました。そんな中で「殿堂入り」として表彰された商品の底力と、既存の良さを生かしながら改良を進めてきた努力を実感しました。

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