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車がぶつかっても傷つきにくい、やわらかポール発売

車がぶつかっても傷つきにくい、やわらかポール発売

ぶつかった側の車などが傷つきにくい軟質の昇降式ライジングボラード

 【横浜】横浜電子(横浜市保土ケ谷区、神田一弘社長、045・334・0681)は、商店街の入り口などに設置して自動車の進入を防ぐ軟質のポール「ソフトライジングボラード」を開発した。ポールは昇降が可能で、車の進入を許す場合は地中に収納できる。空洞のポリウレタン製で柔らかく、車が接触しても傷をつけにくい。スーパーマーケットなどの駐車場を運営する民間企業や官公庁などに提供し、年間50台の販売を目指す。

 ポールは円柱形が基本で直径80ミリメートル、高さ600ミリメートル。このほか、一定方向から押しても倒れにくいT字型のポール、他の高さのポールを使って製造することも顧客の要望次第で可能。受注開始済みで、11月に発売する。価格は個別見積もり。

 ポールは地中部分にワイヤと重りを設けており、重りの反動でポールが地上に突き出す仕組み。ポールを地中に収め、専用のカギで施錠することで収納状態を維持できる。

 ソフトライジングボラードにはモーター駆動式などの他社製品が存在するが、「工期が長く、工事費を含めて数百万円と高価」(神田社長)で導入しにくいのが課題だった。横浜電子の新ボラードは「他社品の半額以下で対応できる」(同)。大がかりな電気工事が不要で、工期も土壌の状態次第だが1日程度で済むという。

 横浜電子は入退場管理制御システム大手のイタリア・FAAC(ボローニャ県)と総代理店契約を結んでおり、油圧で昇降操作するFAACの金属製ライジングボラードも提供している。ただ、市場調査の結果、硬質のポールではぶつかった車を傷つけてしまうため軟質なポールを求める声もあったことから、新製品の開発に踏み切った。

日刊工業新聞2019年10月31日

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