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転落防止のホームドア、ロープ昇降型を採用した西鉄車両の事情

実証実験を開始
転落防止のホームドア、ロープ昇降型を採用した西鉄車両の事情

ロープが昇降する形式のホームドアを設置した(ロープが上がった状態)

西日本鉄道は28日、ホームからの転落事故防止など安全性向上のためホームドアの実証実験を始めた(写真)。天神大牟田線の西鉄福岡駅(福岡市中央区)で1年間の予定で実施する。運行ダイヤやラッシュへの影響を検証するとともに、本格運用に向けて乗務員の操作習得につなげる。2021年度本格整備に着手する計画。

 ホームドアは2番線ホームの一部、1両分の幅に設置した。車両によって扉の数が異なることなどに対応するため、ドアが左右に開閉するタイプではなく、ロープが昇降する支柱伸縮型の柵を採用した。乗降時にはロープが上がる。ロープなどに触るとセンサーが反応して音声で利用者に注意する。

 ロープは長いところで7・5メートル。ロープにすることで左右に開閉するタイプに比べて軽量化できる。同様のホームドアはJR西日本の高槻駅(大阪府高槻市)などで事例がある。

 西鉄福岡駅の乗降者数は17年度統計で1日約13万人で同社最大。国交省のホームドア設置基準10万人を超える同社唯一の駅であり、当面は同駅での整備を進める。
日刊工業新聞2019年3月1日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
ホームドアは現状、横開閉するタイプが主流。西鉄に限らず車両によって停車位置が異なるケースもある。開閉部分の長さがあれば対応しやすい。ただ横型では開閉に時間がかかる。上下の方が短縮可能。また駅舎の建築・改修において軽量化は費用に直結する。

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