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“青空喫煙所”への問題意識から生まれた移動式の分煙室

開発費は総額約1500万円
“青空喫煙所”への問題意識から生まれた移動式の分煙室

東海地域8社と共同開発した「分煙マナーバス」

 ビッグウェーブホールディングス(HD、浜松市東区、仲谷正樹社長、053・545・3101)は、エム・エス・ケー(同浜北区)など8社と共同でバスの車内を改装した移動式分煙室「分煙マナーバス」を開発した。イベント会場などへの派遣を通して市場のニーズを探り、2020年前半をめどに市販やレンタルなど、事業の方向性を決定する。市販の場合、価格は約2000万円を想定する。

 車内にはビッグウェーブHDが開発した完全無水式灰皿を搭載。内部の構造を特殊にすることで灰皿からの煙の逆流や汚水の発生を防止した。室内の煙は電気集塵ユニットと3重のフィルターで浄化、排出する。

 ドアにはエアカーテンを採用し外部への煙の流出を抑えるなど、徹底した分煙を追及した。喫煙所が設置しづらい場所にも移動できるほか、設置のための整地や工事の手間も省けるという。

 このほか、灰皿のカウンターなどを製造したエム・エス・ケーをはじめとする静岡県西部と愛知県東部の企業8社が、人感センサーの開発や内部の発光ダイオード(LED)照明の工事などを手がけた。開発費は総額約1500万円。

 同車両は、柵などでしか区切られておらず、完全な分煙がなされていない“青空喫煙所”への問題意識から生まれた。仲谷社長は「地域の技術を結集した分煙マナーバスで、受動喫煙の防止や地域の美化につなげていきたい」としている。
日刊工業新聞2019年1月7日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
タバコを吸う人にも吸わない人にも嬉しい開発では。技術だけでなく車内のポスターからも青空喫煙所への問題意識の強さがうかがわれます。

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