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子どもの転落監視をAI化、乗り出すリスク判定

産総研がシステム開発、ベランダ柵・踏み台など計測
 産業技術総合研究所人工知能研究センターの西田佳史首席研究員らは、ベランダから子どもが乗り出して転落するリスクを人工知能(AI)で判定して防止するシステムを開発した。ベランダの柵の高さや踏み台になる置物の高さ、子どもの背丈などに応じ、転落リスクを判定。子どもが踏み台をベランダに持ち込んで、リスクが上がると両親やマンションの管理室に通知するなどの応用が可能。見守りサービス付きマンションなどに提案する。

 開発したシステムは、距離カメラでベランダを撮影して、踏み台となる置物の高さや柵からの距離、踏み台となる置物の面積などを計測する。子どもが柵に手足が届いて乗り越えられる状況になると高リスクと判定する。子どもの背丈から乗り越え能力や足がかりに必要な高さなどを推計し、判定精度を高めている。

 マンションなどでの転落事故では、事前に踏み越える可能性のある置物を取り除いたとしても、子どもが椅子や布団などをベランダに持ち込んでしまって起きることもあった。常に計測していれば踏み台の持ち込みを検出できる。

 また、手すりに接触センサーを付ける場合は、子どもが柵を乗り越えられるか、人が見て判断する必要があった。監視をAI化すれば監視員は必要なくなる。
 

 距離カメラは映像を記録せず、立体計測結果のみをサーバーに送るなどプライバシーに対応しやすい。システムの基本構成は完成しており、コストに応じて機器やサーバーを選ぶ段階。高齢者向けの見守りサービス付き住宅のような子ども向け見守り住宅システムを提案していく。
日刊工業新聞2017年6月9日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
親に通知するだけでは転落するまでに対応が間に合わないかもしれません。例えば子供が嫌がる音を出すなど、子供に対してもなにか働きかけができるといいですね。

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