日産・ルノー・ダイムラー、「協業」凍結状態に

1トンピックアップトラックをめぐり

 日産自動車が、仏ルノー、独ダイムラーと取り組む1トンピックアップトラックをめぐる協業が凍結状態にあることが分かった。3社ブランドの車両をアルゼンチン工場で手がける計画だったが、日産車のみの生産にとどまる。また次期モデルの開発の協議は進んでおらず、共同事業は現行モデルで終息する可能性がある。日産は筆頭株主のルノーとの関係が不安定化しており、今後のダイムラーとの協業にも響きかねない。提携戦略の総合的見直しが急務となっている。

 日産はルノーとともに2015年にダイムラーと1トンピックアップトラックでの協業を発表した。日産の「ナバラ」をベースにルノーは「アラスカン」、ダイムラーは「Xクラス」を開発し17年までに発売した。

 現在、これら3モデルは日産のスペイン・バルセロナ工場で生産する。さらにルノーのアルゼンチン工場に6億ドル(約650億円)を投じてラインを整備し、日産の運営で3ブランドの車両を20年末までに生産する計画だったが、ダイムラーがキャンセル、ルノーの計画も進んでいない。

 ルノーとダイムラーはそれぞれ1トンピックアップを欧州や北米、中南米で拡販する計画だったが、同車種の市場が小さい欧州では特に苦戦している。また欧州では環境規制が厳しくなり、開発費負担が重荷になる。日産はナバラの次期モデル開発に着手したが、ルノーとダイムラーは関与していない。日産幹部は「先方の判断次第」と消極的で今後の展望はみえない。

 日産・ルノーはダイムラーと10年に提携した。協業は複数にわたり、エンジン共同生産など順調な取り組みもある。日産の提携戦略ではルノーとの関係再構築に加え、ダイムラーとの共同事業の選択と集中を進められるかも課題となる。

日刊工業新聞2019年10月22日

  

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