ようやく深夜休業のセブン―イレブン、「最後はオーナーの判断」という意味深

「深夜休業ガイドライン」を来月から発布

 セブン―イレブン・ジャパンは21日、加盟店に対する「深夜休業ガイドライン」を11月1日に発布し、同日から8店舗が深夜休業を実施すると発表した。4月から深夜休業の実験をしてきた約230店舗(9月末現在)のうち、6カ月の実験を終えた8店舗が深夜休業を開始する予定で、“時短”営業を容認した格好だ。都内で会見した永松文彦社長は「時短の選択は、最終的にはオーナーの判断で決めていただく」と強調した。

 セブン―イレブン・ジャパンでは深夜営業について、事前のテスト実施を推奨している。7月の加盟店向けアンケートでは、深夜休業テストの実施について、約15%に当たる約2200店が実施中または実施を検討していると回答。これらを踏まえて深夜休業をする前の確認事項、労務対応、深夜配送実施の準備や締結する契約などをガイドラインに盛り込んだ。「お客さまのニーズ、深夜の商圏、人手不足、加盟店収益を本部とオーナー様で話し合い、最終はオーナー様の判断」という。

 11月1日から8店舗が本格的に深夜休業を導入することで、今後深夜休業店舗が増える可能性については明言を避けた。8店舗による本部への収益減少の影響は少ないとした。

 セブン&アイ・ホールディングスは10日の決算発表時に井阪隆一社長が、2020年3月から加盟店が本部に納める加盟店料(ロイヤルティー)を引き下げることを発表。「売上高が低い店舗に傾斜をかける仕組み」(井阪社長)で、1店舗当たり平均年間約50万円の利益が改善する一方、本部の利益は約100億円減額となる。

 業界ではローソンが、すでに全国98店舗で時短営業中だ。ファミリーマートは時短実験中の店舗数は明らかにしていないが、個店の事情で時短営業の店舗があるという。業界第4位のミニストップは、21年度から従来までの加盟店料を見直し、本部と加盟店がコストを応分に負担して利益を分配するモデルにすると公表している。

日刊工業新聞2019年10月22日


会見する永松セブン―イレブン社長


「オーナーと『すべて共有』が強さ」


 2月に大阪のセブン―イレブンのフランチャイズ加盟店オーナーが夜間の人手不足から時短営業を強行したのを機に、人手不足に苦しむコンビニの24時間営業が社会問題化した。コンビニ各社は時短営業の実証実験を始め、「24時間営業=コンビニ」というビジネスモデルの再検討を迫られている。永松文彦セブン―イレブン・ジャパン社長に聞く。

 ―課題山積のタイミングで社長に就任されました。何から取り組みますか。
 「まずコミュニケーションをよくしたい。創業時から経営トップが、加盟店の経営相談を担うオペレーション・フィールド・カウンセラー(OFC)に、考え方などを直接話して、それを理解したOFCが加盟店オーナーに伝える『ダイレクトコミュニケーション』を大事にしてきた。『すべて共有』がセブンの強さだった。しかし規模が大きくなり、それぞれに伝わりにくくなっている。もう一度密にするためOFCに理解を浸透させることから始める」
 
 ―全役員が加盟店に出向き、オーナーとの対話を始めました。気づいたことは。
 「例えば加盟店が本部に納めるロイヤルティー。加盟店にとって率が低い方が良い。しかし我々は集まったお金を店舗のレイアウト変更、商品やシステム開発などに投じていると説明している。19年度は設備投資1450億円のうち8割を既存店向けに使う。投資の中身を具体的に伝えるとオーナーは理解を示してくれる」

 ―競合含め店舗数が5万店超となり、一定地域に集中出店するドミナント戦略には批判も多いです。
 「以前は若い人が夜に利用することが多かったが、今は50代くらいの女性らが日常のものを買う傾向にある。商圏が狭くなり、新たなニーズが顕在化している。ドミナントで一時的に売り上げは落ちるが、競合が出店しづらくなれば、結果としてセブンの店舗を守ることになる」

 ―改めて24時間営業については。
 「商圏内のお客さまにとって24時間が必要かどうかだ。24時間のニーズがなければやる必要はない。ニーズがあって人手不足で運営できないなら、本部によるオーナー・ヘルプ制度を活用してもらい、従業員派遣制度も充実させる」

【記者の目】
 コンビニは便利だから利用されてきた。だが人手不足により長時間労働を余儀なくされている加盟店もあると知って以降、コンビニで働く従業員の姿に、複雑な思いを抱くこともある。加盟店と本部の間の溝は大きいが、時間がかかっても「コンビニトップのセブンだからできた」という解決策を見てみたい。
(文=丸山美和)

日刊工業新聞2019年7月2日

  

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