リュウグウの岩、もろく壊れやすく寒暖差も激しい
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」から分離された小型着陸機「MASCOT」(マスコット)が観測した小惑星リュウグウの最新情報を報告した。岩には黒色と白色の異なる2種類の含有物が見られ、強度が弱くてもろいなどの性質を明らかにした。太陽系の誕生の謎に迫る重要な証拠の一つと考えられる。
フランスとドイツの研究グループが共同開発したマスコットは、2018年10月にリュウグウに着陸した。地表を飛び跳ねながら移動し、主に内蔵されたカメラで高分解能撮影した画像の解析や表面温度の測定を行った。
マスコットから送られたデータの解析結果から、リュウグウ表面の黒っぽい岩の中に0・3ミリ―3ミリメートルの球状の粒子状構造や不規則な形をした黒色や白色の含有物を観測した。有機物を多く含んだ、二酸化ケイ素と金属酸化物で構成される隕石(いんせき)「コンドライト」に似た構造とみられる。リュウグウの岩は熱伝導度が低く、総体積に対して空間を含む量を表す「空隙率」が28―55%と高いことが示された。地球上の岩は火成岩類で10%以下、堆積岩で1―25%。コンドライトに比べて強度が約10分の1と弱く、リュウグウの岩はもろくて壊れやすいと考えられる。
また、リュウグウの1日の表面温度を測定すると、夜はマイナス70度Cだが昼はプラス30度Cに変化した。予想値のマイナス50度C―プラス10度Cよりも20―30度Cの差があった。リュウグウは夜と昼で予想以上に寒暖差が激しいことが分かった。
さらに、小さな小石や細かい砂や塵に覆われた場所がほぼなく、1ミリメートル以下の粒子がないことを確認した。
はやぶさ2プロジェクトチームの吉川真ミッションマネージャは、「はやぶさ2のタッチダウン時には塵が舞ったのが見えた。粒子がなくなるメカニズムを知りたい」と語った。
フランスとドイツの研究グループが共同開発したマスコットは、2018年10月にリュウグウに着陸した。地表を飛び跳ねながら移動し、主に内蔵されたカメラで高分解能撮影した画像の解析や表面温度の測定を行った。
マスコットから送られたデータの解析結果から、リュウグウ表面の黒っぽい岩の中に0・3ミリ―3ミリメートルの球状の粒子状構造や不規則な形をした黒色や白色の含有物を観測した。有機物を多く含んだ、二酸化ケイ素と金属酸化物で構成される隕石(いんせき)「コンドライト」に似た構造とみられる。リュウグウの岩は熱伝導度が低く、総体積に対して空間を含む量を表す「空隙率」が28―55%と高いことが示された。地球上の岩は火成岩類で10%以下、堆積岩で1―25%。コンドライトに比べて強度が約10分の1と弱く、リュウグウの岩はもろくて壊れやすいと考えられる。
また、リュウグウの1日の表面温度を測定すると、夜はマイナス70度Cだが昼はプラス30度Cに変化した。予想値のマイナス50度C―プラス10度Cよりも20―30度Cの差があった。リュウグウは夜と昼で予想以上に寒暖差が激しいことが分かった。
さらに、小さな小石や細かい砂や塵に覆われた場所がほぼなく、1ミリメートル以下の粒子がないことを確認した。
はやぶさ2プロジェクトチームの吉川真ミッションマネージャは、「はやぶさ2のタッチダウン時には塵が舞ったのが見えた。粒子がなくなるメカニズムを知りたい」と語った。
日刊工業新聞2019年10月7日