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三菱重工から「H3」ロケット部品を受注したホンダ系サプライヤー

三菱重工から「H3」ロケット部品を受注したホンダ系サプライヤー

H3ロケット(イメージ=JAXA提供)

日刊工業新聞2019年10月2日


 田中精密工業はグループ会社で次期基幹ロケット「H3ロケット」用部品を受注した。100%子会社のタナカエンジニアリング(富山市)が三菱重工業からエンジン部品と機体バルブ部品を受注した。タナカエンジの航空宇宙関連部品の売上高は部品製造事業の7%を占めるまでに拡大した。

 今回受注したのは、H3ロケットの水素と酸素の混合比を最適化するのに寄与する燃料噴射部品をはじめとするエンジン部品と、水素と酸素の調圧や排圧を制御する機体バルブ部品。

 タナカエンジはレース用エンジン部品の加工や生産設備の設計・製作を手がけている。2014年に航空宇宙産業の品質管理規格「JISQ9100」を取得し、航空宇宙向けの部品加工にも注力していた。今後はロケットだけでなく、航空機部品の受注も視野に入れ、部品製造事業の10%以上を航空宇宙分野にすることを目指すとしている。

金森社長「なせば成る」


日刊工業新聞2018年8月27日


 ホンダ系でエンジン部品が主力。足元の受注はホンダの軽自動車「N―BOX」のヒットで好調だが、これからエンジン部品点数の減少や電気自動車(EV)の普及という荒波を乗り越えねばならず、難しいかじ取りが新社長に迫られる。対策の一つとして「ポンプ系やカバー系の部品の取り込みを始めている」。

 生産の効率化もテーマだ。「工場の稼働状況の“見える化”は少しずつ展開中」。2017年末に開設したオープンイノベーション施設では、ロボットなどを活用した無人化生産ラインの実験を9月に始める予定だ。

 趣味は日曜大工。実家に手すりを付ける工事は自ら手がけた。座右の銘は「なせば成る」。

【略歴】金森俊幸(かなもり・としゆき)82年(昭57)工学院大工卒、同年田中精密工業入社。11年執行役員、12年取締役執行役員、15年取締役常務執行役員。富山県出身。18年6月22日社長就任。
(富山支局長・江刈内雅史)

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