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“海中Wi-Fiスポット”の実現は意外と近い

海中のスマホ通信の実験に成功
 KDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市、中島康之所長、049・278・7464)は、海中からスマートフォンで通信する実証実験に成功した。水中で高速無線通信を実現する「青色LED光無線通信技術」を活用し、動画送信や会員制交流サイト(SNS)受信を実施した。海中作業やレジャーでの無線通信の需要を想定し、2022年度の実用化を目指す。

 実証は静岡県沼津市沿岸の海面から水深5メートル地点で9月に実施。水中でも光通信が減衰しにくい青色LEDを使った光無線通信技術で、海中と海上との通信に成功した。海中でスマホを光無線に接続した実証は世界初。

 防水対策を施した海中のスマホから陸上のパソコンに向けてライブ映像を配信したほか、陸上から海中のスマホに向けSNSの「LINE」でメッセージを送信した。海中では太陽誘電が開発した専用の通信装置とスマホを有線で接続。海上にもう1台浮かべた同装置と無線通信した。通信速度は最大毎秒95メガビットでほぼ遅延なく通信できた。

 今後は水深5メートル以上の長距離通信に向け研究を進める。海中Wi―Fi(ワイファイ)スポットの構築も実現できるとし、新技術を用いた海での新たな経済圏の実現を目指す。
実証実験イメージ(同社発表資料から)
日刊工業新聞2019年10月7日

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