反対の声もあったが…NTT東西がローカル5G参入

総務省、条件付き認可へ

  • 7
  • 19
コマツとドコモの5Gによる建機の遠隔制御実証
 総務省は、次世代通信規格「第5世代通信(5G)」を地域限定で利用するローカル(自営)5Gのガイドライン案をまとめた。10月28日までパブリックコメント(意見公募)を実施後、12月に制度化し、申請受け付けを始める。NTT東日本とNTT西日本に対しては、携帯電話事業者との連携による実質的な移動通信サービスを提供しないことを条件に参入を認める方針だ。(文=編集委員・水嶋真人)

 ローカル5GはNTTドコモやKDDIなど携帯事業者による免許取得を認めていない。携帯事業者ではないNTT東西が参入したい意向を示していたが、KDDIやソフトバンクは「全国に強固な顧客基盤を持つNTT東西が市場を早期に席巻し、ケーブルテレビ事業者など地域企業の参入排除になりかねない」と指摘。NTT東西がローカル5Gの補完サービスとして携帯大手の全国通信網と接続(ローミング)可能になると「実質的な全国移動通信サービス事業者になる」と反対していた。

 このため、NTT東西のローカル5G事業で使う通信端末は携帯大手の通信網との接続を禁じる。NTT東西が構築した複数のローカル5Gエリア同士を接続可能にして広範囲で移動通信サービスを提供することも禁止する。

 一方、NTT東西以外のローカル5G事業者には携帯大手の全国通信網との接続を認める。ローカル5G事業者がわずかな基地局設備を設置して携帯大手の全国通信網と接続可能にし、全国サービスを提供する恐れについては「ローカル5Gを使う地域が限られるため、利用者数も限られる」(総合通信基盤局移動通信課)として危険視しない考えを示した。

 このほか普及促進の観点から、携帯事業者がローカル5G事業者を支援できるようにした。2020年春の5G商用化当初は、4Gの基地局を用 いて5G網を構築する。ローカル5G事業者は自前で局所的な4G基地局を運用できるようにするが、携帯大手や地域広域無線アクセス(BWA)業者から4G基地局を借りてローカル5G網を構築することも可能とした。

 ローカル5Gは地域や産業の個別ニーズに応じて、地域の企業・自治体が自らの建物内や敷地内で柔軟に5G網を構築するシステム。携帯事業者によるエリア構築が遅れる地域で5Gシステムを先行利用できる。ゼネコンが建設現場に導入して建設機械を遠隔制御したり、製造業が工場に導入してスマート工場化したりする用途を見込む。

日刊工業新聞2019年9月30日

関連する記事はこちら

特集