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好悪の問題ではない「防衛白書」の韓国繰り下げ

日本から見た重要度が低下
 新聞記事は、時として「竜頭蛇尾であれ」と言われる。起承転結の順にこだわらず、読者にとって関心の高いことから先に書けという教えだ。

 9月27日に閣議了承した2019年版防衛白書の話題のひとつが“順番”。「安全保障協力」の記載順を「豪州、インド、ASEAN、韓国」に変えた。前年は2番目だった韓国からは「意図的に格下げした」と反発が聞こえる。

 最近の日韓関係の確執が安全保障分野に及んだことを考えれば、当然にも思える。例年なら7―8月にまとまる白書が大幅に遅れた理由のひとつは、韓国が日本との軍事情報包括保護協定を打ち切るかどうかを見極めたからという観測もある。

 実際には日米が協調する「インド太平洋戦略」の重視順に記載を改めたものだろう。韓国の順番繰り下げは好悪の問題より、日本から見た重要度の低下を意味している。

 26日に死去したフランスのシラク元大統領は大の親日家で、相撲などの日本文化に深い関心を寄せた。経団連会長らの民間外交でも「話がすぐ進み、面会予約を取りやすかった」と事務方は話す。関心が相手に対する好意に結びつくものなら大歓迎。記事のトップが関係悪化につながる「竜頭蛇尾」は、残念でならない。
日刊工業新聞2019年10月1日

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