歯の色をAIが判定するシステムの効果

明星大が21年めど供給

 明星大学情報学部の植木一也准教授らは、人工知能(AI)を活用し、義歯製作で本来の歯の色調を再現するための色判定システムの開発を始めた。人手による色調再現は経験やノウハウが必要で、作業負担が課題となっており、システム導入により人材不足への対応や労働環境の改善につなげる。2021年にシステムの提供を目指す。

 歯科技工所のQLデンタルメーカー(川崎市多摩区、石原孝樹社長、044・930・5220)と共同開発する。20年3月末までに試作品を開発し、同社で導入する予定。QLは歯の写真とベテラン技工士が見て判断した色の教師データを提供。明星大はデータを受け、ディープラーニング(深層学習)を用いてシステムを構築する。植木准教授は「今後、数千程度の教師データを集める。一瞬で判断できるような仕組みにしていきたい」と話す。

 セラミックスのかぶせものを作る際、色調再現は形態構築と並ぶ重要な要素となる。再現するには、歯科医院から歯科技工所に送付された患者の歯の画像を見て正しい色を判別し、色を調合し塗り重ねていく段階を踏む。若手の歯科技工士は色判別の作業で先に進めなくなるのが課題だった。

 AIで色判別が可能になると、それまで技工士にかかっていた負担が減り、生産性向上につながる。従来は目視で基準の標準の歯と比較して色を判別していた。QLデンタルメーカーではベテラン技術士が若手をサポートしていたので、作業を中断せざるを得なかった。また、歯科医院の撮影環境によっては画像上に正しい色が表示されず、ベテラン技工士が自身の経験から色調補正して判断するしかなかった。

日刊工業新聞2019年9月13日

  

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