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埼玉の歯科医院長が「ホリエモンロケット」に託した夢

「MOMO4号機」打ち上げ、資金調達の試金石
埼玉の歯科医院長が「ホリエモンロケット」に託した夢

MOMOに搭載して飛ばす紙飛行機(大きさは幅10cm、長さ15cm=IST提供)

 堀江貴文氏が出資する宇宙ベンチャー、インターステラテクノロジズ(IST、北海道大樹町)の観測ロケット「MOMO4号機」の打ち上げが天候などの影響で予定日の20日から、27日以降に延期となった。3号機に続き、4号機も成功となれば、民間ロケットとして宇宙ビジネスへの本格参入が視界に入る。MOMOの打ち上げはクラウドファンディングで集めた支援金が支えており、民間ロケット事業で課題となる資金調達の試金石としても注目される。(文=編集委員・斉藤実)

 MOMO4号機では高度100キロメートルの宇宙圏から「折り紙飛行機3機を飛ばす」という「前代未聞のミッション」があり、クラウドファンディングの一環として、1機100万円で別途スポンサーを公募した。

 紙飛行機の機体には応募者の名前や社名を入れることで、自らの名前が刻まれた紙飛行機が宇宙を舞うという「夢とロマン」への賛同を試みた。

 個人単独で唯一、紙飛行機のファウンダーとなった茂垣徳和氏は、埼玉県川口市東川口の歯科医院の院長。前職は自動車会社のエンジニアであり「ロケットエンジンの燃焼システムや機体姿勢制御などに興味がある」とエンジニア魂は健在。昔から「宇宙に行ってみたい」という思いもあって、宇宙空間を舞う紙飛行機に夢を託すことにした。

 民間ロケット事業といえば、米テスラのイーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業「スペースX」が有名だが、クラウドファンディングを利用して、ロケットを打ち上げたのはISTが初めて。

 MOMOは初号機からクラウドファンディングを活用。4号機は974万500円を集めた。別の紙飛行機には支援者557人の名前も刻み、皆の夢を乗せて宇宙に挑む。

もがき歯科医院の茂垣院長は元自動車メーカーのエンジニア
日刊工業新聞2019年7月23日

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