中核製品の特許切れ前に新薬候補を探せ!大日本住友「3200億円」の勝算

ロイバント・サイエンシズと戦略的提携

 大日本住友製薬は6日、英国とスイスに本社を置く製薬企業のロイバント・サイエンシズと戦略的提携について基本合意したと発表した。新薬開発を手がけるロイバントの五つの子会社を買収するほか、ロイバント株式の10%以上を取得する。10月末をめどに正式契約を結ぶ予定で、投資額は大日本住友製薬として過去最大の30億ドル(約3200億円)を見込む。

 ロイバント子会社は婦人科、泌尿器科、小児希少疾患、呼吸器系希少疾患などの創薬を手がけ、複数製品が2022年度までに米国で承認を取得する見込み。このうちのいくつかは、年間1000億円規模を売り上げる大型薬「ブロックバスター」になる可能性があるという。大日本住友製薬は新薬候補を取得し、将来の収益源に育成する考えだ。

 ロイバントはIT分野にも強く、独自のデータ分析を通じてパイプライン(開発品一覧)の拡充や臨床開発を加速するプラットフォーム技術を持つ。大日本住友製薬はこの技術も獲得し、新薬開発や既存業務の効率化に活用する。ロイバントが持つビッグデータ解析技術も利用する。

 同日都内で会見した大日本住友製薬の野村博社長は、今回の戦略的提携が「既存の我々の戦略に新しい展開を開いてくれる」と期待感を示した。

 大日本住友製薬は中核製品の非定型抗精神病薬「ラツーダ」が23年度にも特許切れとなる見通しで、後発薬の発売による収益の落ち込みをどう補うかが最大の課題だ。野村社長は「(獲得する新薬候補が)ポスト・ラツーダになると考えている」と話した。

日刊工業新聞2019年9月7日電子版

  

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