航空機の電動化ビジネス、三菱電機が車や鉄道の技術生かす

新組織を立ち上げ、電機品の開発を加速

 三菱電機は航空機の電動化に向けて電機品の開発を加速する。先端技術総合研究所(兵庫県尼崎市)内に新組織を立ち上げ、自動車や鉄道で培ったモーターなどの電動化技術の応用を目指す。自動車の電動化が社会の関心を集めるものの、航空機の二酸化炭素(CO2)排出削減も国際的に大きな課題。電機各社にとって既存技術の展開先として自動車と並ぶ有望市場となりそうだ。

 三菱電機は先端技術総合研究所内に「航空機電動化プロジェクトグループ」を設置した。これまで自動車向けなどの供給実績が豊富なモーターやインバーター、パワー半導体などの電機品を基に航空機向けの製品を開発する。

 航空機の電機品は軽量化が強く求められる。エネルギー効率をさらに向上させるほか、高い高度を飛行すると絶縁性能が落ちる傾向にあるため新たな技術開発が必要だ。一方、自動車の電機品の場合は小型化の優先順位が高く、航空機のニーズと異なる部分がある。

 航空機の電動化はモーターや電力変換器、蓄電池、盤・配電システム、パワーモジュールなどを組み合わせる。推進用モーターや装備品モーター、発電機などに向けた炭化ケイ素(SiC)パワー半導体によるインバーターやDC(直流)/DCコンバーターなどを想定する。民間航空機業界は1―5人乗りの小型機において2020年代前半に電動化を始めて、100人以上の旅客機で30年代の実現を目指している。

 国際民間航空機関(ICAO)は、50年にCO2排出量を05年比で半減させる目標を掲げ、その達成には電動化など新技術の導入が不可欠だ。電動化は騒音削減や、部品点数が減ることで整備コストなどを抑えられる利点もある。航空機産業は裾野が広いため、関連業界にとっても電動化が新たな商機となる。

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日刊工業新聞2019年8月26日

  

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