「#あおり運転」対策に一役、電子部品メーカーが意外な存在感

引き合い強く、今後も需要増

 高速道路でのあおり運転や逆走事故が社会問題化する中、電子部品や無線通信メーカーの製品・システムが交通安全対策に一役買っている。太陽誘電と日本ケミコンはドライブレコーダー向けで、日本無線(東京都中野区)は逆走検知向けでそれぞれ引き合いが強い。今後、悪質・危険な運転行為の抑止・証拠としての“目”の必要性は増えていきそうだ。(取材・山谷逸平)

 警察庁のまとめによれば、全国の警察が高速道路における道路交通法違反のうち、あおり運転をした場合などに適用される「車間距離不保持」で2018年に摘発した件数は、前年比約1・9倍の1万1793件。社会問題化した17年の東名高速道路でのあおり運転による死亡事故を受けた取り締まりの強化が要因とされる。

 「一般車用への普及は、あおり運転がきっかけになったと考えている」。太陽誘電の第三事業本部パワーデバイス事業部リソシオン開発部の石田克英次長は、こう認識を示す。同社は主に自動車分野のティア1(1次取引先)向けにドライブレコーダー用途で高信頼性の電気二重層キャパシター(EDLC)を供給している。

 かつてのドライブレコーダーは、画素数が少なくナンバープレートや顔を認識できなかったが、最近は高画素の製品が増え、それらが十分認識できるようになった。その半面、画素数の高まりを受け大量のデータ量を書き込むためにバックアップ電源が必要とされている。石田次長はEDLCについて「4―5年前に採用されて以降、毎年増え続けている。(年間の)出荷個数は当初に比べ約2倍になった」と話す。現在、国内向けに月10万個前後の出荷ペースが続いている。

 日本ケミコンもドライブレコーダー向けの相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラモジュールの出荷が好調だ。同社のモジュールはCMOSイメージセンサーとレンズを同社の実装技術で一体化し小型化している。完成車メーカー、ティア1に加え、カー用品店などで売られるドライブレコーダーにも使われている。

 一方、日本無線は開発したミリ波レーダー式交通監視システムを逆走検知などの用途に展開している。逆走検知用のシステムでは、信号処理部を逆走検知用に変更することで、ランプウェイ(本線に入るまでにループ路)への逆走進入を検知する。18年に監視システムを発売して以降、道路事業者に主に逆走検知用途で納入。約10カ所に設置されている。

 国土交通省は、高速道路での逆走は高速道路での事故全体と比較して、死傷事故となる割合が約4倍、死亡事故となる割合が約40倍にもなるとして、20年までに高速道路の逆走事故ゼロを目指している。逆走検知のニーズも高まっている。

日刊工業新聞2019年8月27日(エレクトロニクス)

  

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