賞金総額1億円!日本で大規模な国際ロボ競技が来年開かれる

31日までエントリー受付、世界からロボット技術者が集結

来年8月に福島、10月に名古屋で


 国際ロボット競演会「ワールド・ロボット・サミット」(WRS)の2020年8月・10月開催に向けて、参加チームの募集や競技概要の検討など準備が着々と進んでいる。19年8月には19歳までの若者を対象としたジュニア競技の事前大会が開かれた。主催者である経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、18年に開催したプレ大会の結果を踏まえ、世界各地のロボット技術者や学生が集う一大イベントとする意気込みだ。

 WRSはロボットの社会実装の促進を狙いにしており、競技会と展示会からなる。競技会はプレ大会と同様、ものづくり、サービス、インフラ・災害対応、ジュニアの4カテゴリーで実施する。

 参加者は世界各国の技術者や学生など。競技の詳細をまだ明らかにしていないジュニアを除く3カテゴリーについて、8月31日までWRSの公式ホームページで募集している。

 ジュニアの事前大会は8月5−9日に相模原市南区の相模女子大学で開催された。若者が本大会に向けて腕試しをするとともに、競技設計に反映させる。

 経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2020年8月と10月に「ワールド・ロボット・サミット(WRS)」を開く。同年8月20―22日には福島ロボットテストフィールド(福島県南相馬市)でインフラ・災害対応の競技を、同年10月8―11日に愛知県国際展示場(愛知県常滑市)で、ものづくり、サービス、ジュニアの3カテゴリーの競技を実施する。賞金総額は1億円以上を予定する。

前回は23カ国・地域、126チームが参加


18年の前回大会。コンビニ用ロボットの競技

 WRSは生活や社会、産業分野でのロボットの社会実装と、研究開発を加速させるのが狙い。18年に開催したプレ大会には23カ国・地域、126チームが参加。ものづくりカテゴリーではデンマークのチームが優勝、サービスカテゴリーではコネクテッドロボティクス(東京都小金井市)など日本勢が多く入賞し、各分野の最先端技術を競い合った。

 本大会のものづくりカテゴリー・製品組立競技では、18年の競技で組み立てたベルトドライブユニットをベースに次世代生産システムを加速させるような新たな要素を加えた製品を組み立てる。また迅速な一品ものづくりを目指すため、事前告知した製品に加え、競技の直前に初めて開示する「サプライズ製品」も組み立てる。

 サービスカテゴリーは家庭内の各作業を支援するパートナーロボット競技と、店舗における業務支援のフューチャーコンビニエンスストア競技で構成。18年に実施したバーチャル空間での競技は廃止した。

 パートナーロボット競技ではトヨタ自動車のロボット「HSR」を使い、部屋の片付けや指定された飲み物を棚から取り出して人に渡すなどの作業を競う。フューチャーコンビニエンスストア競技ではおにぎりの陳列・廃棄や接客、トイレ掃除を行う。弁当を袋に入れたり、商品を勧めたりする作業も想定。人手不足に悩むコンビニ業界に提案する。

 インフラ・災害対応は18年と同様、プラント災害予防、トンネル事故災害対応・復旧、災害対応標準性能評価の3競技を実施する。模擬プラントで、発生場所が不明なモーターの異常音・振動を測定し結果を報告、消火栓や燃料バルブを操作する。また大型タンクのクラックの診断や、煙やがれきがある中での緊急事故による要救助者の捜索なども競う。

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日刊工業新聞2019年7月30日(ロボット)に加筆

小川 淳

小川 淳
08月21日
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WRSはただ勝ち負けを競う競技会ではなく、競技の設計理念から社会への導入を強く意識しています。ロボットが社会に自然に溶け込み、当たり前のように存在する。ロボットが日常風景になることをゴールに、いかに逆算して導入を加速するかを問うています。競技会という形式にしたのは、世界中のロボット研究者たちが切磋琢磨することを願っているためです。

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