【WRS明日開幕】協議会で披露する技術、買い手を見つけたMUJINのスゴさ

国際ロボット競技会“ワールド・ロボット・サミット”、17日から

 「ものづくり」「サービス」「インフラ・災害対応」「ジュニア」の4部門・9種目で競技を実施するワールド・ロボット・サミット(WRS)。17日の開幕に向けて、東京ビッグサイト(東京・有明)の会場では準備が進む。チームは大手企業やベンチャー、学生などさまざま。そんな中、ものづくり部門は企業の参戦が多く、競技へのチャレンジだけでなくビジネスへつなげようとする動きもみられる。

 精密部品組み立てを競う、ものづくり部門は見た目は最も地味だが、最も熱い競技会になりそうだ。サービスやインフラ災害対応部門に比べ、参加者の平均年齢がグッと上がる。これは大学だけでなく、民間のロボット企業が本気で参戦しているためだ。

 ロボットベンチャーのMUJIN(東京都墨田区)と三明機工(静岡市清水区)のチームは3台のロボットアームを持ち込んだ。3台のアームと3台の3次元センサー、3台の力覚センサーなどを1台のコントローラーで制御する。コントローラーを一つに集約したことでティーチングを分割せずにすみ、システム構築や変更が簡単になった。出杏光魯仙(デアンコウ・ロセン)MUJIN最高技術責任者(CTO)は「WRS専用の開発はしていない」と説明する。開発した技術は、大会終了後に買い取る顧客が決まっている。大会参加とビジネスを両立させた。

 そして競技ブースに人材募集ののぼりを掲げ、周囲の大学チームから若手をリクルートしている。MUJINの桑原宏之エンジニアは「早速、我々のシステムとのぼりを見て、何人か声をかけてきてくれた。海外の優秀な人材を引き入れるチャンス」と手応えは大きいようだ。規模の小さなベンチャーにとって競技会に力を注げば、マンパワーがとられてしまう。だからこそロボット関連人材が集うWRSで、より多くの収穫を持って帰るつもりだ。

ニュースイッチオリジナル

小寺 貴之

小寺 貴之
10月16日
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多くの技術競技会は、大会のために開発する技術は売れるのか、という課題を抱えてきました。未来の技術を目指すとすぐには売れず、すぐに売れる技術はわざわざ大会をひらかなくても開発されるという問題があります。WRSは10年後を見据えつつ、いま売れる技術も競います。産業用ロボでピック&プレイスからピック&アセンブリーになると、求められる精度が跳ね上がります。そのため、ものづくり部門のタスクは、まだまだ先の未来ではないかともいわれていました。MUJINは大会とビジネス両立させるだけでなく、買い手も見つけていました。これは本当に凄いことだと思います。

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