太平洋セメント、石炭使用50%に削減へ600億円投資

環境対策への取り組みを強化

 太平洋セメントは、2023年までにセメント製造の焼成工程で使う石炭の使用比率を現在の85%から50%に引き下げる。石炭の代替燃料として廃プラスチックの比率を15%から50%に増やす。結果、二酸化炭素(CO2)の排出量を約1割削減する。600億円を設備投資し、23年までに国内全ての工場で合計12基のキルン(回転釜)を廃プラに対応できるようにする。脱石炭が叫ばれる中、環境対策への取り組みを強化する。

 600億円の設備投資にはキルンの増強や、プラスチックの燃焼に伴って発生する塩素濃度を下げるための設備の設置などが含まれる。1基当たり50億円をかけて、整備を進める。今後、廃プラにはカーボンファイバーが増えていくとされており、雑多な廃プラへの対応にも備え、設備の機能を強化する。

 廃プラは関東など都市部で多出するため、主力工場の上磯工場(北海道北斗市)や大分工場(大分県津久見市)には輸送している。函館港に定期船を就航させるなど、スピードを上げて廃プラへの対応を進めている。

 セメントは1トン当たりの製造に伴い、約700キログラムのCO2を排出する。CO2排出量の内訳は約55%が石灰石の脱炭酸、約35%がキルンでの焼成によるエネルギー、約10%が電力使用によるもの。太平洋セメントでは環境対応として、各地で実証実験を行うなど積極的に技術開発を進めており、CO2を最も多く排出する石炭使用量の大幅削減に臨む。

 同社は、CO2排出量を50年に00年比80%削減する目標を掲げている。

日刊工業新聞2019年8月6日

  

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