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737MAXの不具合、「ボーイングからの値下げ要求はない」(三菱重工)

737MAXの不具合、「ボーイングからの値下げ要求はない」(三菱重工)

「737MAX」の機体製造への参画比率は数%とみられる(ボーイング提供)

 三菱重工業の小口正範副社長は米ボーイングの新型旅客機「737MAX」の不具合に対し、「当社は『787』『777X』が主力で、787の月産14機の工事量は予定通りで値下げ要求もない」(同)と語った。5日の決算会見で明らかにした。

 ボーイングが先月発表した2019年4-6期決算は、最終損益が29億4200万ドル(約3100億円)の赤字だった。新型機「737MAX」の墜落事故による出荷停止などで売上高が35%減少、フライトの欠便に対する航空会社への補償費用も響いた。

 日本メーカーは中大型機「787」の機体製造の約35%を、次期大型機「777X」の21%をそれぞれ担っている。一方、737MAXでの比率は低い。ボーイングが正確な数値を算出していないほどで、「おそらく数%」(ボーイングジャパン)とみられる。

 一方、三菱重工の19年4―6月期連結決算は、売上高が前年同期比1・5%増の9193億円、事業利益が同22・8%増の404億円となった。売り上げはガスタービンの増加や民間航空機部門の好調が寄与。利益は「三菱スペースジェット」を含む航空・防衛・宇宙セグメントが改善した。小口副社長は「総じて想定の範囲内で、順調に推移している」という。20年3月期連結業績見通しは5月の期初公表値を据え置いた。

                

単位億円、増減率%、下段通期見通し、▼は赤字・マイナス。配当の上段カッコ内は前の期の実績、下段通期見通し
日刊工業新聞2019年8月6日の記事を加筆修正

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