原発稼働で電力大手の業績は上向き、それでも順風満帆とは言いがたい

3社が通期見通しを下方修正

 電力大手10社が2020年3月期連結業績予想の達成へ順調に滑り出した。19年4―6月期連結決算は9社が増収、7社が当期増益となった。燃料費調整制度による燃料費と電気料金のタイムラグが寄与。個社では原子力発電所の稼働も貢献した。一方で、3社が20年3月期予想を下方修正し、順風満帆とは言いがたい状況だ。

 4―6月期は燃料価格が下落基調だったため、電気料金に反映されるまでのタイムラグが増収効果を生んだ。前年同期が燃料価格の上昇で減収要因となったのと反対の結果となった。

 販売電力量を伸ばした社も。中部電力は首都圏や関西での業務用高圧・特別高圧を伸ばしたことなどにより、4―6月期の売上高は過去最高だった。

 原発が貢献したのは関西電力。大飯原発の再稼働による18年7月の値下げで、法人向け電力販売が伸びた。九州電力は前年同期に定期検査していた川内原発が安定稼働したことで、燃料費が減少した。

 発電所のトラブルが業績見通しに響く社も。北陸電力は七尾大田火力発電所2号機が低圧タービンの翼の損傷で7月に運転を停止。復旧まで4カ月間かかる影響で、20年3月期の売上高見通しを下方修正した。

 東京電力ホールディングスは福島第一原発の廃炉で、燃料デブリ(溶け落ちた核燃料)の取り出し方法を20年3月期中に決める影響で、20年3月期見通しを引き続き公表しなかった。
               

日刊工業新聞2019年8月2日

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。