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再稼働?廃炉?ひと目で分かる全国の原発マップ

 東京電力ホールディングス(HD)の福島第二原子力発電所(福島県富岡町、楢葉町)が廃炉になる見通しになり、次の焦点は東電HDの柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働に移る。政府も再稼働に向けた環境づくりを支援する方針だ。

 国は原発をベースロード電源に位置付け、安全性の確保を前提に再稼働を進めるエネルギー政策を堅持する。ただ福島第二原発については安全性や住民感情などを踏まえ、再稼働には否定的な姿勢を続けてきた。

 東電HDが廃炉の検討を示したことについて、世耕弘成経済産業相は14日、都内で記者団に対し、「福島県民の気持ちを考えた時、他の原発と同列に扱うことはないと思っていた」と説明。判断が遅すぎたとの指摘もあるが、「経営トップが地元の声や福島の現状を受け止めて判断し方向性を示したことは高く評価したい」と語った。

 一方、他の原発については、国は電力の安定供給や温暖化対策などの観点から再稼働を推進する。6月中の閣議決定を目指す中長期のエネルギー政策「エネルギー基本計画」の中でも原発再稼働を明記。30年度に電源構成比率で20―22%(16年度は2%程度)に増やす方針を維持した。

 産業界からも「産業競争力維持の観点から電気料金の抑制を要請したい」(造船重機メーカー幹部)と再稼働に賛同する声が上がる。

 特に、同じ東電HDが運営する柏崎刈羽原発の再稼働に関心が集まる。17年12月に安全審査に合格した6、7号機の再稼働は地元自治体の同意が得られず、見通しが立たない。7基が立地し、総出力で世界最大の柏崎刈羽原発は、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の合意内容を達成するためにも重要だ。
日刊工業新聞2018年6月15日「深層断面」から抜粋
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
政府内では「原発政策を推進したい資源エネルギー庁の意向を、慎重な官邸が押さえる構図になっている」(経産省幹部)との声もある。ただ東電HDの取り組みや自治体の判断に任せても国民の理解は得られにくい。国が責任を持ち、原発政策を前に進める必要がある。 (日刊工業新聞経済部・敷田寛明)

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