「セブンペイ廃止」で漏れたコンビニ業界関係者の不安

わずか3ヶ月、「信頼回復」困難

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)は1日、スマートフォン決済サービス「セブンペイ」を9月末で廃止すると発表した。10月1日以降、残高がある利用者には返金する。7月1日に開始したセブンペイは、不正アクセスにより開始4日で新規登録と入金(チャージ)を停止。セキュリティー対策の強化が難しく顧客の信頼を回復するのは困難と判断し、わずか3カ月で終了に追い込まれた。

 1日に都内で開いた記者会見で、後藤克弘セブン&アイHD副社長は「ご迷惑とご心配をおかけした多くのお客さま、不正利用の舞台となった加盟店の皆さま、多くの関係者の皆さまに心よりおわび申し上げます」と陳謝した。19日から順次、補償手続きを始める。

 セブンペイをめぐっては7月3日に、第三者が利用者本人になりすまし、登録したクレジットカードやデビットカードでチャージして、コンビニエンスストア「セブン―イレブン」の店舗で勝手に使う不正利用が発覚。同4日には新規登録とチャージを停止した。システムの脆弱(ぜいじゃく)性を指摘され、原因究明とセキュリティー対策の強化を進めてきたが、対応に時間がかかり、利用者の不安を払拭(ふっしょく)するのは困難と判断した。

 セブンペイの廃止を聞いたコンビニ業界関係者は「コンビニ日本一の企業が手がけるペイメントサービスのセキュリティーの甘さが露呈した。今後、小売流通業界が提供するペイメントサービスはダメと思われるのでは」と不安視する。

 さらに「セブンには『ナナコ』という認知度が高く、利用者も多い電子マネーがあるのに、なぜナナコを進化させたペイメントにしなかったのか。セブンペイを投入する必要があったのか」といった声も聞かれた。

 7月31日時点でセブンペイの被害人数は808人、被害額は3861万5473円。セキュリティー強化の一環で、同30日には会員数が1650万人いるセブン&アイHDグループ共通のID「7iD」のパスワードを一斉にリセットし、パスワード再設定によるセキュリティー強化を打ち出している。

日刊工業新聞2019年8月2日

  

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