ニュースイッチ

まず補聴器向け、マクセルがコイン型リチウム二次電池で大攻勢

20年度に年産100万個
 マクセル(東京都港区)は、補聴器向けコイン形リチウムイオン二次電池の生産能力を引き上げる。2019年度から海外補聴器メーカー向けの出荷が本格的に始まり、20年度以降に出荷の急増を見込んでいることから、事業として採算が取れると判断した。投資額は数億円規模。受注に応じて逐次工程を見直し、省人化を進める。増強後の20年度に年間100万個の生産を目指す。

 マクセルのコイン形リチウムイオン二次電池は、高容量・長寿命が強み。小野工場(兵庫県小野市)で生産している。国内向けでは15年度から出荷を開始し、18年度には海外向けも始めた。

 同社は充電式補聴器の世界市場について、17年から25年にかけて、年平均成長率30%の急成長を予測。この中で20年度にシェア20%を目指している。今後は多様な補聴器に対応できるよう、ラインアップの拡充も視野に入れている。

 マクセルの持ち株会社、マクセルホールディングスは、19年4月に見直した18年度からの3カ年中期経営計画で、コイン形リチウムイオン二次電池を成長ドライバー製品の一つに位置付けている。売上高は18年度に数億円だったが、20年度には約10億円を目指す。

<関連記事>
「リチウムイオン電池」の未来を開拓した化学業界の野武士
日刊工業新聞2019年7年19日

編集部のおすすめ