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トヨタ×パナソニックの住宅事業どうなる?中核会社社長の展望

トヨタホーム・後藤裕司社長に聞く
トヨタ×パナソニックの住宅事業どうなる?中核会社社長の展望

トヨタの豊田章男社長(左)とパナソニックの津賀一宏社長(2017年12月撮影)

 トヨタ自動車とパナソニックが2020年1月に住宅事業を統合する。新会社「プライムライフテクノロジーズ(PLT)」を発足し、ここに両社の住宅子会社のトヨタホームやミサワホーム、パナソニックホームズなどを移管する。人口減少を背景に新築住宅事業の成長が鈍化する中、新会社が描く戦略とは。傘下の中核会社であるトヨタホームの後藤裕司社長に聞いた。

環境・MaaSに可能性


 ―PLTの下で3社が組むメリットは。
 「市場が厳しくなる中で、ある程度の規模は絶対に必要だ。3社合算で住宅供給戸数は約1万5000戸、売上高も1兆円近い。3社の連携で、他社にない商品力やサービスの創出に期待する」

 ―事業戦略のカギに「街づくり」を掲げています。
 「トヨタとパナソニックが組むことで、スマートシティー(次世代環境都市)やMaaS(乗り物のサービス化)など、いろいろなことができる。PLTでは住宅供給にとどまらず、ヘルスケアや買い物代行などサービス事業にも参入したい。サービス化に向けては外部企業との連携もあり得る」

 ―住宅3社の経営統合の可能性はありますか。
 「各社は自前のブランドや販売網を確立しており、現段階で経営統合する意味合いは薄い。調達や研究開発などはまとめた方がメリットも大きいので、どこを一緒にやるか詰めていく。3社の工場については、さまざまな案を俎上(そじょう)に載せる」

 ―資材調達で関係が深かったトヨタグループとの関係に、変化はありそうですか。
 「デンソーやアイシン精機などは住宅資材を手がけており、パナソニックグループと競合する部分はある。場合によってはパナソニックに(調達の)比重が高まる資材も出てくるかもしれない。競争の中で顧客に喜んでもらうことが重要だ。これまでトヨタグループの中でやってきたが、パナソニックが出てくることで、良い意味で商品開発・サービス競争が加速するだろう」
 
 ―海外事業における戦略は。
 「文化や気候の違いなど難しい面もあるが、3社連合で勝負できるところがあるならやっていきたい。海外も街づくりがポイントだ。街全体のインフラとセットで住宅を提案することが肝要で、中国やインドなど、新興国がターゲットになる」

トヨタホームの後藤裕司社長

【記者の目/コネクテッドシティー実現へ】
 パナソニックとの提携という節目に、トヨタホーム社長のバトンを受け取った後藤社長。トヨタの豊田章男社長が掲げる、人や車、モノを街とつなぐ「コネクテッドシティー」の一部を支えるのがPLTの役割だ。トヨタホームにかかる期待は大きく、後藤社長のかじ取りに注目したい。(文=名古屋編集委員・長塚崇寛)
日刊工業新聞2019年7月10日

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