2015年にいち早く採用…NECの「RPA」の使い方

事務管理、生産性6倍に

 NECは、グルーブ内のスタッフ業務の共通化への取り組みを契機に、RPA(ソフトウエア型のロボットによる業務自動化)を2015年にいち早く採用した。RPAは、領収証の照合などの人手に頼る反復作業や定型業務を自動化するツール。その利便性に目を付け、ユーザー視点で徹底活用し、事務管理部門の生産性を6倍に向上するなどの成果を出した。この実践ノウハウを基に、RPA関連ソリューションを提供している。

 RPA導入の先導役は14年設立のNECマネジメントパートナー(NMP、川崎市中原区)。その役割はNEC本体と主要なグループ会社の間接業務の集約と効率化が本丸。対象とする業務は経理・財務、人事・総務、調達、販売促進など広範囲に渡り、統合したグループ会社は16年時点で15社に及んだ。グループ会社といっても給与体系が異なるうえ、それぞれ業務プロセスや伝票もマチマチで、共通化は至難の業。RPAの導入を語る以前の課題として、グループ内から集めた3000人以上のスタッフの統合と、業務共通化などの改革に奔走していた。

 当時、NMPに出向していたNECの米増豊AIプラットフォーム事業部長は「業務プロセスを統一するために業務の見える化が必須」との判断から「一人ひとりの工数を数値化することの意味を説明して回ったが、3000人と話をする中で、けちょん、けちょんに言われることもあった」と振り返る。

 だが、業務プロセスの改革なしではRPAの効果が出ない。「そこをやりきったおかげで、RPAの効果について『ビフォー、アフター』を明確化できた」と米増事業部長は胸を張る。

 現在、132業務で400体以上のロボットが稼働中。統制が効かない「野良ロボット」を生まない仕組みや、人の判断や思考の代替を入れ込んだ「第2世代RPA」にもいち早く対応している。「実践ノウハウと、活動成果をお客さまに還元したい」(同)と語る。
(文=編集委員・斉藤実)

日刊工業新聞2019年7月10日

  

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