世界一位の顔認証で無人店舗を狙うNEC

決済システム軸に次世代ニーズ先取り

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台湾セブン―イレブンの画像認識を活用したPOSシステム
 NECは、コンビニエンスストアなど小売業に対して、顔認証による決済システムの採用を働きかけている。人手不足が慢性化する小売業ではセルフレジをはじめとする省力化や、完全自動化による無人店舗への取り組みが本格化しつつある。NECは世界ナンバー1の認証精度を持つ顔認証AIエンジン「ネオフェース」による決済システムを軸に、次世代店舗で求められる省力・無人化のニーズを先取りする。

 NECは台湾セブン―イレブン(台北市)の未来コンビニ「X―STORE」に対して、ネオフェースを活用した決済システムを納入した。NECとして顔認証による決済システムを実店舗に納入したのは国内外で初めてだ。

 X―STOREは1月に、台湾セブン―イレブンが本社ビル内に社員限定で開設。6月から一般消費者向けに本格展開し、わずか3週間で利用者は3000人を超え、7月には台北市の信義区に2号店が開設するなど、普及拡大に拍車がかかっている。NECの名田幸生第一金融ソリューション事業部マネージャーは「店舗の利便性を向上する施策として業種を問わず多数の会社から問い合わせを受けている」と手応えを強調する。

 X―STOREに納入したのは顔認証システムと、画像認識を活用した販売時点情報管理(POS)システム。顔認証システムは入退店と決済で使用する。具体的には、店舗入り口の横に設置した端末で、事前に登録した顔画像と、入退店時に通るゲートのカメラで撮影した顔画像を照合して本人確認を行う。入店する際には、利用者ごとに合わせたメッセージをゲートのモニターへ表示する。

 店舗での決済には、台湾セブン−イレブンを展開する統一超商が属する統一企業グループ発行の電子マネー「iキャッシュ2・0」を使用。台湾セブン―イレブンの本社社員が顔認証決済を利用すると、購買情報が給与システムに連携して、給与天引きでの精算も可能だ。

 一方、画像認識を活用したPOSシステムは、決済時に行う購入商品の読み取りに使う。利用者がレジ台に購入商品を置くと、カメラが複数商品を一括で自動認識する。これにより、バーコードを一つひとつ読み込ませる必要がない。

 一般に無人店舗のシステムの構成要素は来店客の認識、商品の認識、決済の三つが挙げられる。来店客の認識は、顔認証や2次元コード「QRコード」など実用段階の技術があり、決済についても従来のモバイル決済で対応できる。キャッシュレス決済にはQRコードなどさまざまな方式があるが、「次世代の決済サービスとして顔認証の活用への期待の声も増えている」(名田マネージャー)。

 カギとなる顔認証技術は、利用者にストレスをかけずにさりげなく素早く認証でき、かつ成りすましやIDカードの貸し借りなどの不正入場を防止できる。決済処理以外に、監視や防犯など利用範囲は幅広く、サイバー(仮想空間)とフィジカル(現実世界)をつなぐ接点としての役割が注目されている。(文=斎藤実)

日刊工業新聞2018年12月14日

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顔認証 一つひとつ

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