今度こそ低収益から脱せられるか、富士通とNECの「万年改革」

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NECの新野隆社長(左)と富士通の時田隆仁次期社長
 富士通の2020年3月期連結業績予想(国際会計基準)は、営業利益が前期比0・2%減の1300億円を見込む。採算の厳しいハードウエア事業の再編や固定費削減などは一巡したが、海外拠点の再編継続や、市況変化による半導体の落ち込みが足かせとなり、売上高営業利益率は前期比0・2ポイント増の3・5%にとどまる見通し。反転攻勢は時田隆仁次期社長に委ねられる格好。年間配当は前期比10円増の160円とする。

 19年3月期は退職給付制度の変更に伴う892億円の一時利益などを使って経営改革を推進。田中達也社長が4年がかりで進めてきた選択と集中による「形を変える」取り組みは大きく進展した。だが、収益向上などの「質を変える」施策には手こずり、成長の伸びしろとしていたソフト・サービス事業の海外展開も振るわなかった。

 塚野英博副社長は、主力のソフト・サービス事業の海外展開について「19年度(20年3月期)が底で、19年度以降にキャッシュフローへのインパクトが出てくる」と改革への手応えを強調した。ソフト・サービスを中核とする「テクノロジーソリューション」部門の営業利益率は20年3月期が前期比1・5ポイント増の7・5%を予測している。10%以上の目標達成は時田新体制に託すことになった。

 一方、NECの2020年3月期連結業績予想(国際会計基準)は、営業利益が前期比88・1%増の1100億円と、大幅増に転じる見込みだ。19年3月期に、懸案の海外事業の構造改革に200億円を投じ、黒字化のめどを付けた。活況な情報通信技術(ICT)投資を反映し、企業システム、ネットワークサービス、システムの主要3事業もそろって増益の見通し。12年ぶりに中間配当を復活し、年間配当は前期比20円増の60円とする。

 19年3月期は海外の事業再編に加え、国内の固定費削減や生産拠点の再編を含め構造改革費用として、計500億円を投じた。連結売上高はオランダのKMDの買収でかさ上げされたが、営業利益、当期利益とも前期を下回った。
                  

                


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