トヨタが燃料電池車を増産へ、次期「MIRAI」は10倍の月3000台に

 トヨタ自動車が2020年にも、燃料電池車(FCV)の生産能力を現状比10倍以上の月産3000台に引き上げることが明らかになった。20年後半の投入を計画する量産型FCV「MIRAI(ミライ)」の次期モデルで増産を図る。トヨタは20年以降にFCVの年間販売台数を3万台以上にする目標を掲げる。次期モデルの投入を機に、普及に弾みをつける。

 現行のミライは元町工場(愛知県豊田市)の専用ラインで生産しているが、同工場の量産ラインでミライの次期モデルを生産できるようにする。現在の生産能力は年間約3000台で、単純計算すると月当たり250台程度。18年のグローバルでの販売実績は約2400台だった。

 トヨタはFCVの基幹部品となる燃料電池スタックと高圧水素タンクの生産設備を拡充し、20年頃に稼働させる計画を公表済み。車両の生産も拡張し、現状の10倍以上となる販売目標の達成に向け、生産体制を整える。

 FCVは700万円ほどと高い車両価格が普及の課題となっている。経済産業省は、25年までにFCVとハイブリッド車(HV)の価格差を現在の300万円程度から70万円程度に縮小する目標を掲げており、水素社会の実現を後押しする。トヨタも本格量産への移行でコスト低減を図る方針だ。

 ミライの次期モデルについて、トヨタの寺師茂樹副社長は、取り込んだ大気中の窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を浄化して排気する機能を搭載する考えを明らかにしている。

 現行のミライも大気中の微小粒子状物質(PM2・5)をフィルターで取り除いて酸素を取り出しており、「大気汚染物質についてはマイナスエミッションのような働きがある」(寺師副社長)という。コスト低減に加え付加価値も訴求し、本格普及につなげる。

日刊工業新聞2019年7月3日

  

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