KYBが「電動パワステ」の国内生産から撤退へ、不採算事業の見直し加速

EPSは中国事業に特化、免震装置不正を受け財務立て直し

 KYBは電動パワーステアリング(EPS)の国内生産から撤退する方針を固めた。EPSの構成部品の調達コストが上昇し、収益を高めるのが難しくなったほか、国内の競争環境が激化しているため。すでに取引先と協議しており、生産終了は2020年以降になる見通し。同社は免震・制振用オイルダンパーの不適切検査問題により財務の立て直しが課題だ。不採算事業の撤退や見直しを進める。

 EPSは岐阜北工場(岐阜県可児市)で生産しており、間接人員を含む270人は工場内で再配置する。自動車メーカーの新モデル向けの取引案件を失注したため、生産の撤退を決めた。生産量のピークは16年で、18年までで若干の落ち込みはあるが、足元の生産規模は維持している。

 ただ、構成部品の一つECU(電子制御ユニット)の高度化が進んだことに伴い調達コストが上昇しており、国内では収益環境が悪化しているという。

 パワステは電動化や自動運転に対する応答性の観点から、油圧式からEPSへの移行が進むため需要は高まる見込み。そのため、KYBは国内生産を撤退するものの、需要が高まる中国ではEPS事業に注力する。

 18年に中国最大手のEPSメーカー、湖北恒隆汽車系統集団と設立した合弁会社「湖北恒隆凱迩必汽車電動転向系統」でEPSを生産しており、引き合いも強いという。湖北恒隆は現地メーカーと油圧式パワステの取引が多く、代替需要時に合弁会社で生産したEPSを訴求する。

 KYBは不採算事業の見直しや拠点の再編を進めており、欧州拠点の再編や2輪向け事業の拠点集約を計画する。

 18年度には免震・制振用オイルダンパーの不適切検査などの問題に伴い当期赤字に転落。19年度内に構造改革を進め、20年度を初年度とする次期中期経営計画に備える。

日刊工業新聞2019年6月21日

  

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