米国で先端研究を加速するファナック、狙いは「10年先」のロボット制御・AI

西海岸に研究所設立、バークレーやスタンフォードなどと積極交流

 ファナックは米国シリコンバレーで、ロボット制御や人工知能(AI)など先端技術の研究を本格化する。カリフォルニア大学(UC)バークレー校など現地の大学や企業と交流。ファナックが持つロボット技術を中心に、先端技術を活用した応用分野を研究する。先端技術の研究をめぐっては、トヨタ自動車やNTTなどが米国に拠点を設ける。最新技術が集まる同地域で交流を積極化し、研究開発を加速する。

 ファナックは米国西海岸に先端技術研究所を設立。現地で研究者を採用し、日本から派遣した研究者と合わせ数人規模の組織を立ち上げた。UCバークレー校、スタンフォード大学、現地企業などと交流。AIやIoT(モノのインターネット)を活用したロボットの応用技術などのテーマを設定し、共同研究に乗り出した。

 ファナックが先端技術の研究拠点を設けるのは初めて。日本では既に数値制御(NC)装置やロボットなどの商品開発を担う研究所や、要素技術などを開発する基礎研究所を運営する。山口賢治社長は「国内の研究所は商品化が中心で、基礎研究所は3年くらい先、先端技術研究所は5―10年先の研究を担う」と指摘する。一方、同社は以前からUCバークレー校と協力関係があり、新たな研究所は既に同校周辺に所有する場所を活用した。

 最先端の研究開発が進むシリコンバレーでは、トヨタがAIやロボットなどの研究開発子会社を設立。NTTは4月に量子計算などの基礎研究をする法人を新設した。一方、三菱電機は米国東海岸の拠点を中心に、マサチューセッツ工科大学といった主要大学とAI分野の研究などで連携する。各社は研究を通じて最新技術を取り込み、商品開発や競争力の強化につなげる。

日刊工業新聞2019年6月14日(機械)

  

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