ファナック「100年、200年続けるため」のCEO交代

稲葉会長から山口社長に、二人三脚変わらず

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稲葉会長
 ファナックは1日、稲葉善治会長兼最高経営責任者(CEO、70)がCEOを退き、山口賢治社長兼最高執行責任者(COO、50)が社長兼CEOに就任する。稲葉会長は2003年に社長に就任し、16年から会長とCEOを兼務してきた。稲葉氏は引き続き代表権のある会長に専念し、新たなCOO職は置かない。経営の若返りを図り、IoT(モノのインターネット)など産業界の変革期に対応する。

 ファナックの事実上のトップの交代は16年ぶり。稲葉会長は社長時代に08年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災を経験。15年3月期に過去最高の業績と、売上高営業利益率40・8%の高収益を実現した。

 15年3月期には連結配当性向を従来の30%から60%に引き上げる株主還元方針に転換。生産面では「特に工作機械用数値制御(NC)装置と産業用ロボットは供給責任がある」(稲葉会長)とし、栃木県や茨城県で工場を建設し、山梨県の本社と生産拠点の複数化を進めた。また稲葉会長は「100年、200年続けるためにも商品開発に力を入れている」とも指摘。研究所の規模も拡充し、事業基盤の強化を進めた。

 一方、人工知能(AI)開発のプリファード・ネットワークス(東京都千代田区)や米シスコシステムズなどと共同で工場用IoT基盤「フィールドシステム」を開発し、他社に先駆け17年に運用をはじめた。

 山口社長はロボット開発で手腕を発揮し、自社工場の自動化を進めて競争力を高めた。IoTやAIなど産業界が変革期を迎える中、稲葉会長と山口社長兼CEOの二人三脚で難局を乗り切る。
山口社長

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