ファナックがサーボモーターで新工場、その理由とは?

部品加工を強化、内製化の比率高め米中回復に備え

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サーボモーター部品加工新工場(完成予想図)
 ファナックは9月に山梨県忍野村の本社地区にサーボモーターの部品加工を手がける工場を新設する。約120億円を投資する。これまでモーター部品の加工は同地区内の2工場で手がけていた。統合により生産効率を従来比10―20%向上し、内製化の比率も引き上げる。生産能力は従来と変わらず月15万台規模。中国市場の景気減速の影響などで足元の受注は弱含むが、中長期的な視点で回復局面に備え、生産体制を整備する。

 新工場は鉄骨造の地上3階建て。延べ床面積は約5万5200平方メートル。サーボモーターのシャフトやフランジなどの部品を加工するほか、最上階では小型モーター、内蔵ブレーキユニット、検出器の組み立ても手がける。投資額にはこれら生産設備の費用は含んでいない。

 既存工場から順次設備を新工場に移管し、2020年はじめに段階的に稼働を開始する予定。統合を機に設備のタクトタイム短縮や稼働時間の延長などにより生産の効率化を推進する。生産量の少ない部品の加工を内製化するなどし、コスト競争力も高める。既存工場は別の用途での活用を検討する。

 サーボモーターは工作機械や産業用ロボットの基幹部品で、他社に供給する工作機械用数値制御(NC)装置とのセットや、自社向けの製品に供給する。

 米中貿易摩擦の影響などで受注は低迷しているものの、山口賢治社長兼最高経営責任者(CEO)は「いずれ戻ることを想定しており、今のうちに効率を上げておきたい」と指摘する。

 その上で、需要の回復時期を見通すのは難しいとしつつ、「供給量の大きい中国向けがいつ戻るかが一つのきっかけになる」との見方を示し、米国向けの需要回復にも期待を示した。

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日刊工業新聞2019年4月9日

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