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スマホ端末割引は3万円まで!? 分離プラン導入で相次ぐ「上限設定求む」の声

総務省の有識者研究会で議論
スマホ端末割引は3万円まで!? 分離プラン導入で相次ぐ「上限設定求む」の声

携帯電話業者の幹部から行き過ぎた囲い込みなどをヒアリングした

 総務省の有識者研究会は30日、携帯電話の通信料と端末価格の完全分離に関して携帯大手3社と格安スマートフォン事業者からヒアリングした。秋にも施行される改正電気通信事業法で「完全分離プラン」が義務化された場合、携帯事業者による過度な端末価格の割り引きが懸念される。NTTドコモは端末割り引きの上限を3万円までという提案をするなど各社からさまざまな意見が出た。(編集委員・水嶋真人)

 分離プランは通信料と端末価格がそれぞれ独立し、通信契約の有無で端末価格に差が出ないようにする狙い。一方で端末の割り引きは改正法でも否定されていない。分離プラン義務化後も同一の携帯事業者から通信と端末をセットで購入する消費者が多い見込みのため、買い替えサポートプログラムなどを見越した過度な端末割り引き競争が勃発する恐れがある。

 NTTドコモの丸山誠治取締役は「割り引きの恩恵を受けない顧客との間で不公平感を生じさせず、割り引きを受ける顧客から得られる範囲内で端末割り引きを行うべきだ」と述べ、端末割り引きを一律3万円までとするよう提案した。

 KDDIの古賀靖広執行役員は「第5世代通信(5G)の普及促進には利用者間の不公平が生じない範囲内で、ある程度の端末購入補助は必要だ」との認識を示し、端末購入者の実質負担額が2年前の先行同型機種の下取り価格を下回るような端末購入補助を禁止する現行ルールを踏襲すべきだとした。

 ソフトバンクの松井敏彦渉外本部長は、通信サービスの継続利用を条件としない場合に禁止される利益提供について、明確な基準を要望。割り引き額の上限設定のほか、高価格端末ほど割り引き額が大きくなる割引率の上限設定、直近の先行同型機種の下取り価格を基準とするなど複数の案を提案した。

 松井氏はSIMのみの契約で無制限の値引きを行い、端末は別で契約する“抜け穴”も指摘。SIMのみの契約でも、端末購入時の割り引き上限と同額のルールを適用するよう求めた。楽天モバイルの大尾嘉宏人常務執行役員も割り引き額に上限を定めて規制するよう提案した。
日刊工業新聞2019年5月30日

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