iPhone高額化でも「新料金プラン」に賭けたドコモの第一歩
「月々サポート」廃止、シンプルで分かりやすい?
NTTドコモは15日、新しい携帯電話料金プラン「ギガホ」「ギガライト」を6月1日に始めると発表した。政府が求めていた通信料最大4割引き下げを実現し、音声プラン、インターネット接続サービス「SPモード」、データ通信プランをワンパッケージ化した分かりやすいプランとした。ただ、通信料と端末料を分離したプランのため、端末補助がなくなる。高機能機種の価格が高額になるため、吉沢和弘社長は「購入しやすいアイデアを(例年5月末にある)新機種発表までに考えたい」とした。
NTTドコモが15日発表した携帯電話通信料金の新しいプランは、家族間国内通話が無料の音声プランやデータ通信プランをワンパッケージ化した2種類のプランから選ぶシンプルで分かりやすいプランが特徴だ。一方、端末代を月々の通信料から値引きする「月々サポート」がなくなるため「iPhone(アイフォーン)」などの高機能機種の高額化が次の課題となる。
「複雑な適用条件がなく、シンプルでお得な料金にした」。吉沢和弘社長は15日に都内で開いた新料金プラン発表会で、新料金の特徴を語った。
従来の料金プランは音声通話を対象にした「基本プラン」、月々の最大通信容量を定めた「パケットパック」を組み合わせた複数のパターンから選ぶ方式だった。新プランは双方のプランをワンパッケージ化し、外出先でも動画などをダウンロードしたい利用者向けの「ギガホ」、メールや会員制交流サイト(SNS)の利用が中心の「ギガライト」の二つから選ぶ。
3親等以内が加入できるファミリー割引グループ内に3回線以上ある場合、ギガホの月額料金は容量30ギガバイト(ギガは10億)の利用で消費税抜き5980円と、月20ギガ―30ギガバイトの利用者向けの従来プラン「ウルトラデータLLパック」より約3割の値下げになる。ギガライトは容量1ギガバイト以下で同1980円。従来プラン「ベーシックシェアパック」より約4割引き下げた。
新プランは一見、KDDIやソフトバンクがすでに導入している端末料金と分離した通信料金プランとほぼ変わらないように見える。ただ、吉沢和弘社長は「ギガホで利用データ量が30ギガバイトを超えた時の速度制限を毎秒1メガビットにした」と、通信速度の品質の高さを強調する。毎秒1メガビット超の通信速度をうたった格安スマホ業者もあるが、吉沢社長は「(格安スマホ業者の場合)混雑時は通信速度が落ちる」と話す。
もう一つの特徴が「家族のお得をさらに強化した」(同)。ドコモによると、ファミリー割引グループに3回線以上いる利用者は7割以上いる。ギガホかギガライトに加入した3回線以上のファミリー割引で月額1000円割り引くなど、家族3人の利用の場合、合計の月額料金は従来の1万7140円から1万940円になる。家族、親族間の利用でお得感を感じさせる“囲い込み”で、格安スマホ業者に流れやすいシニア層の取り込みも目指す戦略と言えそうだ。
一方、新プランでは端末購入補助がなくなるだけに、吉沢社長は「(端末購入補助が)全くなくなればお求めにくくなる」と危機感を募らせる。5月末とみられる新機種の発表時に合わせて公開する端末購入高額化への対応策が、次なるポイントとなる。
「月々サポート」利用中の契約者に対し、いつ新プランに移行した方が得になるのか伝える細やかなサポートも必要となる。ドコモは5月22日から、顧客の利用状況に応じたおすすめプランを提案するサービスを始めるが、より分かりやすく新サービスを理解できる仕掛けも求められそうだ。
NTTドコモが15日発表した携帯電話通信料金の新しいプランは、家族間国内通話が無料の音声プランやデータ通信プランをワンパッケージ化した2種類のプランから選ぶシンプルで分かりやすいプランが特徴だ。一方、端末代を月々の通信料から値引きする「月々サポート」がなくなるため「iPhone(アイフォーン)」などの高機能機種の高額化が次の課題となる。
「複雑な適用条件がなく、シンプルでお得な料金にした」。吉沢和弘社長は15日に都内で開いた新料金プラン発表会で、新料金の特徴を語った。
従来の料金プランは音声通話を対象にした「基本プラン」、月々の最大通信容量を定めた「パケットパック」を組み合わせた複数のパターンから選ぶ方式だった。新プランは双方のプランをワンパッケージ化し、外出先でも動画などをダウンロードしたい利用者向けの「ギガホ」、メールや会員制交流サイト(SNS)の利用が中心の「ギガライト」の二つから選ぶ。
3親等以内が加入できるファミリー割引グループ内に3回線以上ある場合、ギガホの月額料金は容量30ギガバイト(ギガは10億)の利用で消費税抜き5980円と、月20ギガ―30ギガバイトの利用者向けの従来プラン「ウルトラデータLLパック」より約3割の値下げになる。ギガライトは容量1ギガバイト以下で同1980円。従来プラン「ベーシックシェアパック」より約4割引き下げた。
新プランは一見、KDDIやソフトバンクがすでに導入している端末料金と分離した通信料金プランとほぼ変わらないように見える。ただ、吉沢和弘社長は「ギガホで利用データ量が30ギガバイトを超えた時の速度制限を毎秒1メガビットにした」と、通信速度の品質の高さを強調する。毎秒1メガビット超の通信速度をうたった格安スマホ業者もあるが、吉沢社長は「(格安スマホ業者の場合)混雑時は通信速度が落ちる」と話す。
もう一つの特徴が「家族のお得をさらに強化した」(同)。ドコモによると、ファミリー割引グループに3回線以上いる利用者は7割以上いる。ギガホかギガライトに加入した3回線以上のファミリー割引で月額1000円割り引くなど、家族3人の利用の場合、合計の月額料金は従来の1万7140円から1万940円になる。家族、親族間の利用でお得感を感じさせる“囲い込み”で、格安スマホ業者に流れやすいシニア層の取り込みも目指す戦略と言えそうだ。
一方、新プランでは端末購入補助がなくなるだけに、吉沢社長は「(端末購入補助が)全くなくなればお求めにくくなる」と危機感を募らせる。5月末とみられる新機種の発表時に合わせて公開する端末購入高額化への対応策が、次なるポイントとなる。
「月々サポート」利用中の契約者に対し、いつ新プランに移行した方が得になるのか伝える細やかなサポートも必要となる。ドコモは5月22日から、顧客の利用状況に応じたおすすめプランを提案するサービスを始めるが、より分かりやすく新サービスを理解できる仕掛けも求められそうだ。
日刊工業新聞2019年4月16日(ICT)