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IT活用で葉物野菜の収穫時期を予測

浜の野菜がシステム開発
IT活用で葉物野菜の収穫時期を予測

センサーで測定した温度・日射量・地温データから収穫時期を予測する。地温は地下に敷いたパイプにより制御する。

 【いわき】浜の野菜(福島県いわき市、根本和彦社長、0246・38・8807)は、ITを活用して1カ月先の収穫時期を予測する、小松菜などの葉物野菜の生産システムを開発した。ハウス栽培の実証を通し、生産は年間10回転と、一般の栽培より4回程度多い生産を実現した。ほぼ1カ月に1回の収穫が可能となり、収穫時期の予測もできる。今後は同システムを用いた生産のサプライチェーンを全国に構築し、グループ生産で事業を拡充する。

 子会社のエコエネルギーシステムズ(いわき市)がIT活用と管理を担当し事業化を進めてきた。葉物野菜の生育に大きく影響する地温をコントロールするため地下20センチメートルに、20センチメートル間隔でパイプを敷いた。地下2メートルの地下水を流して、夏期は地下を冷やし、冬期は太陽の熱も使ってパイプを暖め、温度をコントロールする。

 2018年に3000平方メートルの敷地に計12棟のハウスを設置し、小松菜などの栽培を始めた。収穫予測のため温度、日射量、地温センサーをそれぞれのハウスに設置、地温は地下10センチメートル、地上、そして土壌の水分量をデータ取りしている。「湿度管理も含め、光合成の進み方をグラフで見て、収穫時期を予測する」(根本社長)という。植樹から収穫までの積算日射、地温のデータに合わせ、実際のデータから判断する。

 現在、1ハウスでの収穫量は1回300キログラムで、いわき市や宮城県の市場へ出荷している。さらに19年度から付近の3000平方メートルの用地を利用して、ハウス栽培の拡充にも乗りだした。

 同生産システムの普及を図るため、グループ化の検討にも入った。異業種からの参入も含め、同生産システムによる全国的なグループ展開を進めていく。

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