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土起こしから収穫まで、農業の一貫自動化プロジェクト始動

土起こしから収穫まで、農業の一貫自動化プロジェクト始動

農研機構による自動運転田植機。自ら回転しながら自動で田植えをこなす

 農業の競争力強化を目指す農林水産省の「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」が近く始動する。最先端のロボット、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)技術を、農業の生産から出荷までの一貫した体系として導入・実証し、経営効果を明らかにする。導入する設備の全額を補助するという珍しい施策。現在、公募した対象について選考に入っており、3月中旬以降に決定する見通しだ。

 農水省はこれまで農業の革新技術として、自動走行トラクター、自動運転田植機、自動水管理システムといった個別技術の開発を民間企業とともに進めてきた。

 新たなプロジェクトでは対象の田畑で、土を掘り起こして耕す耕起・整地から種まき・苗植え、水・栽培の管理、収穫まで、開発してきた最新の自動化設備を体系的に導入する。また生産現場の課題解決に向け必要な要素技術を導入し、技術・経営効果を実証する取り組みも行う。田畑、果樹園のほか平地から中山間地まで幅広く対象として募集した。

 プロジェクトは、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が進める。実証計画指導や関連データの収集を行い、技術面・経営面から分析・解析する。結果を基に最適な技術体系を検討し、情報提供する。

 農水省は同プロジェクトに2018年度2次補正予算で約62億円を確保。対象となる個々の導入費用が異なるため件数は明らかではないが、同予算の範囲内で技術導入を実施する計画だ。
日刊工業新聞2019年2月27日

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