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「NTT」5期ぶり減益見込む、ドコモ頼み脱却どう図る?

国内携帯電話事業が競争激化
 NTTの2020年3月期連結業績予想(国際会計基準)は、営業利益が前期比8・5%減の1兆5500億円と、5期ぶりの減益を見込む。営業利益の6割を稼ぐNTTドコモが最大4割値下げした新しい通信料金プランの導入で大幅な営業減益を予想したためだ。10月の楽天の参入で、国内携帯電話事業の競争が激化する中、“ドコモ頼み”からの早急な脱却が求められている。

 「20年3月期を底に早期に収益回復を図りたい」―。NTTの澤田純社長は決算発表会でこう強調した。稼ぎ頭のNTTドコモは、6月に実施する新料金プランの導入で2000億円規模の顧客還元を実施する影響で営業利益が前期比18・1%減と、同1800億円減る見込み。

 19年3月期に過去最高となったNTTの営業利益にドコモとともに貢献したNTTデータも20年3月期の営業利益予想は、ほぼ前期並みにとどまる。NTT東西地域会社は経費削減でそれぞれ営業増益、NTTコミュニケーションズはクラウド基盤事業の拡充で同3%増の営業利益を見込むが、ドコモの営業減益をカバーできない。

 澤田社長は20年3月期を「改革をスタートする年にする」と位置づける。改革の担い手となるのが、あらゆる産業を人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)でスマート化する「スマートワールド構想」の具現化だ。スマートエネルギー事業を担うNTTアノードエナジーを6月3日に新設するなど、各産業のスマート化を支援するサービスの提供体制の構築を本格化する。もう一つの改革が海外事業の強化。再編したグローバル事業会社の本社を英国に置いて7月に営業を始め、24年3月期に海外売上高を19年3月期比32・2%増の250億ドル(約2兆7500億円)の達成につなげる。

日刊工業新聞2019年5月13日

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